拒否権はある? 自分だけアパートの家賃を値上げされたらどうする? (2/2ページ)
■「供託」は最終手段
値上げに応じなくても、家賃の「滞納」にならないのでしょうか? 借賃増減請求権に従っている以上「正当」な行為ですが、もの別れが続けば裁判になるのは必至。納得できるまでとことんやるぞ! と思うなら、法務局に家賃を預けておけば完璧です。
これは供託(きょうたく)と呼ばれ、
・家賃を支払う「意思」はある
・ただし値上げには納得できない
ことを「第三者」に示すことが目的で、大家さんや管理会社ではなく法務局に家賃を「預ける」かたちで支払います。
もし裁判になっても、
・従来の家賃 … 7万円
・要求された新家賃 … 8万円
・供託した(=相当と思える)家賃 … 7万5千円
のように支払っていれば、踏み倒す意思はないことがはっきりと伝わります。
その後に裁判によって、たとえば7万3千円が妥当と判断されれば、差額の2千円×月数が戻ってきますし、逆に7万8千円に決まれば不足分の合計を支払えばOK、決着してから精算するので、これ以上モメる必要はありません。
ただし、裁判となれば長い日数がかかり、大家さんと折り合いがつかない時間が続くのは望ましいことではありません。どうしても納得できない場合はアリでしょうが、まずは話し合いでの解決を試みるのが良いでしょう。
■まとめ
・家賃の値上げを要求されても、納得できなければ応じなくても良い法律がある
・納得できる金額を支払えば、踏み倒したことにはならない
・相当と思える家賃を、法務局に供託(きょうたく)すれば完璧
・裁判で新家賃が決まったら、差額を精算すればOK
(関口 寿/ガリレオワークス)