【ネットニュース編集者によるイニシャル鼎談】清原容疑者逮捕の舞台裏 (2/3ページ)

デイリーニュースオンライン

中川 なんで筋肉つけようとしたんだろう? 

山本 タイトル欲しかったんでしょ。それまでも無冠だったわけですし。当時広いとされた東京ドームで沢山ホームラン打ちたいと思って、ならば肉体改造だって話になった。もちろん筋力をつけること自体は必要なことで、一概に悪いこととはいえない。

 でも、身体には支えられるキャパシティというのがあって、それは関節や腱、靭帯によって支えられていて、筋力の増大ほど一気に強化することなどできない。極論を言えば、軽自動車にでっかいエンジン積むようなものです。

 いっぱい筋トレした結果、体重が増えて、ひざに一気に負担くるわけじゃないですか。靭帯が痛いだ、ひざの腱に問題が出るだ、半月板が歪むだ、色々問題が出て来る。痛いわけですよ。そうなると、スポーツ界には痛みを止めるいろんな方法があるわけですよ。リハビリ期間の間に禁止薬物を使って痛みを取りながら、ちゃんとリハビリをする。

 別に禁止薬物全体が一切駄目だというわけではありません。風邪薬や、育毛剤も駄目な成分を含むものはある。ぜんそくの選手は、ちゃんと球団を通じてNPBに申請して禁止薬物であるステロイドを処方されたりするし、要は、それを服用して身体に残った状態で試合に出ては駄目だと言うだけです。

 故障して、3ヶ月ぐらい二軍に落ちて、痛み止めなどで禁止薬物を服用している間に処置をして、その後リハビリに入ったところで使用をやめて、薬を抜く期間を作って試合に復帰するとかね。

漆原 試合に出る時までに薬が抜けてさえいれば、問題ないわけでしょ? 

山本 ドーピング問題ってみんな誤解してるんだけど、全部が全部使っていけないんではなく、大まかに言って使って試合に出てはいけない薬物と、そもそも使っては駄目だという薬物とがあります。だから、たとえば、ステロイドがダメですよっていうのは、基本的には、筋肉増強効果のあるステロイドが血中や筋肉組織に残ってる段階で試合に出てはいけませんって話。ただ、ステロイドは患部の炎症を抑えたりする本来の処方効果を期待して投与されることが多い。だからやるならちゃんと薬を抜いてから、ドライなカラダで試合に出て下さいね。ウェットだったらダメですよってことなんです。

 で、その禁止薬物にアスリートが手を出しやすい環境ってのは2つあって、1つは故障、1つは成績へのプレッシャーなんです。それをやめましょうっていまNPBが言わなきゃいけないのは、必要なことではもちろんあるんだけど、結構末期的だと思うんです。そう言わなきゃいけない“何か”が他にあるんじゃないかって思われてもしょうがない。それを巨人行ってからって言われると、“もしかして、そういうことなのか”ってなるわけですよ。

■球界のスターが薬物に手を染めた理由

漆原 それを言っちゃ、みたいな事なのね。よかったね山本さん、(収録とかで)そのキャスターの方の隣にいなくてね。もし話を振られたらどうしてました?

山本 そしたら、「ですよねー」って。

漆原 そしたら今頃、ものすごい騒ぎですよ。また、ネットで大騒ぎ。

山本 でも確かに、あの頃の清原さんのカラダの大きくなり方ってのは、いま映像を振り返ってみても、故障おこす筋肥大ですよ。実際故障起こして、相当痛いだろうな、清原さん、辛かったろうなって思うわけですよ。

 しかも、球団も薄々気づいていたかもしれないけど、なかなか止められなかったんだろうなと。私なんかは、巨人にとても同情的です。もしも私があそこにいたら、清原さんを止められただろうか? と、どうしても思ってしまう。まさか覚せい剤とは思わないけど、成績が下降線になっていたし、どうにかしたいのだろうと。

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