【プロ野球】“パ高セ低”交流戦の要因はあの球団にあった!

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【プロ野球】“パ高セ低”交流戦の要因はあの球団にあった!
【プロ野球】“パ高セ低”交流戦の要因はあの球団にあった!

「パにとっては天国、セにとっては地獄」の交流戦がスタートした。

 交流戦開始から11年、パリーグが865勝を挙げているのに対し、セリーグは774勝と、その差は91勝もある。1年あたり8勝もパが勝ち越しており、各年度の優勝もパ9回に対してセ2回と圧倒的な差がついている。

 交流戦開始後の日本一回数をみても、パが9回に対しセ2回と、交流戦と同じ結果が生じている。〝パ高セ低〟は今に始まったことではないが、この要因はどこにあるのか。

■DH制負け越し、球場の狭さも?

「パのDH(指名打者)制の場合、どちらかといえば打ち勝つイケイケ野球になるのに対し、セは9番投手に送りバントをさせるなどチームワーク野球になる。その感覚が染みついているから、指名打者制に慣れていないセが苦戦する」という見方がある。

 DH制におけるセの勝敗を調べると、347勝458敗、勝率.431。セは全6球団とも負け越しており、交流戦の対パ通算勝率.472を大きく下回っている。広島のような投手力主体のチームがDH制のパと戦うと「確実なアウトがなくなる」ため、普段と違う野球になるのかもしれない。

「ヤクルト、広島、DeNAに共通するのは球場の狭さ。広島はマツダスタジアムに変わったけど、2011年までは広島市民球場を使用しており、神宮、横浜スタジアムとともにパの本拠地に比べて一回り小さいため、守り慣れていない」という意見も要因の一つ。パの本拠地は全6場で中堅122mだがセは3場のみ。両翼100m未満はパ1球場に対しセ3球場だ。

 昨年、30本塁打以上を放った打者はパが中田翔、中村剛也、柳田悠岐、松田宣浩、李大浩、レアードと6人いたのに対し、セは山田哲人ただ1人。公式戦で狭い球場を使用するセのほうがホームランは出やすいはず。

 つまりパはセに比べて長距離砲を多く抱えており、この打撃力の差もパの優位に拍車をかけているのかもしれない。

 このほか、「短期決戦なので、セが得意とするデータが活かされず、パのイケイケ野球がセを圧倒している」という声もある。

■足を引っ張るセの2チーム

 過去11年の球団別交流戦成績は以下の通りだ。

 過去11年中5年で優勝しているソフトバンクが勝率6割をマーク。同じく優勝1回の日本ハムが2位、優勝2回のロッテが3位と、上位3球団はすべてパが占めている。

 セも巨人と中日は勝ち越しており、阪神も勝率5割をキープしている。

 問題は下位5チームだ。パはオリックスが借金2、楽天が借金24で合計26なのに対し、セはヤクルト11、広島44、DeNA65の合計120。

 つまり、パの借金のほとんどが楽天の負け越し分なのに対し、セは広島とDeNAの2球団が足を引っ張っている。これもセが弱い理由の一つだろう。

 思い出されるのは昨年。交流戦前まで29勝19敗と首位に立っていたDeNAだが、交流戦に入ると3勝14敗1分とズルズル失速。この惨敗が尾を引き、最終的にはシーズン最下位に沈んでしまった。

 交流戦スタート前の現在、セのトップを走る広島カープが、昨年のDeNAのようにズルズルと負けが込む。そんな危険性も予感される。

文・小川隆行(おがわたかゆき)
※編集者&ライター。『プロ野球 タブーの真相』(宝島社刊)シリーズなど、これまでプロ野球関連のムックを50冊以上手がけている。数多くのプロ野球選手、元選手と交流がある。
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