公共放送がなぜ自国を批判?中国人が語る”NHKの偏向報道” (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■NHKに賛同する五毛党

 番組終了後、僕が上述の疑問点をTwitterに投稿したところ、すぐさま中国の五毛党(報酬と引き換えに中共政府を肯定する中国のネットユーザー)たちから「この番組は真実の歴史を語っている!琉球人は日本人じゃない!」「残念ながら21世紀のアジアのリーダーは中国だ!」といった反論が寄せられました。つまり、中共政府と同じ思考を持つ層が、NHKの番組内容を肯定していたのです。

 NHKの報道番組を見ていると、偏向性を感じることが多々あります。例を挙げると、16年2月21日に放送された「新・映像の世紀第5集−若者の反乱が世界に連鎖した」は、過去に発生した各国の反政府デモが肯定的に紹介されていましたが、同日は東京の繁華街で市民団体による安保改正反対デモが開催されていたのです(デイリーニュースオンライン3月19日掲載)

 また16年8月18日放送のニュース内で「子どもの貧困」が特集され、パソコンが買えず1000円のキーボードでタイピングの練習を行う女子高生が紹介されていましたが、放送された彼女の部屋には1万円以上の商品が置かれ、Twitterのアカウントを調べると、映画を鑑賞したりキャラグッズを大量に購入するなど、一般的な女子高生となんら変わらない生活を送っていることが発覚しました。事実は定かではありませんが、彼女が番組のための「仕込み」だった可能性もあるでしょう。

 豊かな家庭や整然と陳列されたスーパーなど、北朝鮮のプロパガンダ報道は日本のみなさんも目にする機会は多いと思います。同じく中国でも人々が幸せに暮らす様子を描いた捏造報道がひんぱんに行われます。一方、日本の公共放送局であるNHKはなぜか自国に対し批判的な報道を繰り返します。なぜそのような事態になったのか不明ですが、僕はNHKの報道体制は全般的に見直すべきだと思います。

著者プロフィール

漫画家

孫向文

中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の31歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。近著に『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)など。

(構成/亀谷哲弘)

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