公共放送がなぜ自国を批判?中国人が語る”NHKの偏向報道” (1/2ページ)

デイリーニュースオンライン

NHKの報道に感じる大きな違和感 (C)孫向文/大洋図書
NHKの報道に感じる大きな違和感 (C)孫向文/大洋図書

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。

 2016年8月20日、『NHKスペシャル 沖縄空白の1年〜“基地の島”はこうして生まれた』が放送されました。番組内容は太平洋戦争時の沖縄戦とそれにともなう米国による沖縄統治を紹介するというものでしたが、視聴した僕は大きな違和感を持ちました。

■一方的な視点で語られる戦後の沖縄

 番組中では沖縄戦後、米軍により収容所に送られた人々の証言、基地建設のために多くの住人が立ち退きを要求されたこと、朝鮮戦争時に米軍が沖縄の基地を重要な拠点としたこと、日本の復興の際に本土が優先されたこと、戦後の沖縄に自治政府を設立しようという運動があったことなどが紹介されていました。確かにこれらは事実かもしれませんが、番組内では「迫害される沖縄の住民=正義」、「米軍・日本政府=悪」という一方的な視点で事実が語られていました。

 確かに太平洋戦争後、米軍が基地を建設するために地元住民の土地を奪ったのは事実ですが、沖縄米軍基地は、朝鮮戦争やベトナム戦争などアジアの共産主義勢力を攻撃するために使用されたのです。仮に沖縄基地が存在しなかったら、今ごろ「赤い勢力」は沖縄を含むアジア全域を侵食していたかもしれません。また戦争により疲弊し、大規模な産業を持たない当時の沖縄が独立したとしても、自治が円滑に行えたとは思えません。

 番組内ではダグラス・マッカーサーの、「アメリカ軍による沖縄の占領に日本人は反対しない なぜなら沖縄人は日本人ではないのだから」という本国への打電を引き合いに出し、まるで当時の本土の人々が米軍の沖縄占領を支持していたかのような報道を行いました。しかし、番組をよく見ればわかるように、これはあくまでマッカーサー個人の見解であり本土の人々の総意ではありません。これは沖縄独立論を肯定するためのプロパガンダだと僕は感じました。

 また、番組終盤では「やがて、アメリカは沖縄を拠点にして朝鮮戦争を開始した」と結論付けられていましたが、朝鮮戦争は旧ソ連を主導とする共産主義勢力の拡大を阻止するための戦いであり、決して米軍による侵略行為ではありません。仮に朝鮮戦争が発生しなかったら、朝鮮半島全域は共産主義化し現在の北朝鮮のような最貧国となっていたでしょう。中国の教科書では、朝鮮戦争時に共産主義勢力として戦った自国の軍隊を「抗美援朝」(アメリカに抵抗し、朝鮮統一を援助する共産党軍)と呼び賛美します。アメリカの武力行使を否定するこの番組のスタンスは中共政府と同様のものと感じました。

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