お金で懐柔する?トランプ次期大統領に対する”中共政府の思惑” (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

 現在、南シナ海の覇権拡大を狙っている中国にとって、「アメリカの『世界の警察』からの撤退」を公約にかかげるトランプ氏の大統領就任は都合のいい話です。そのため以前から中共の機関メディアはトランプ氏を支持し続けています。蔡総統との会談を受け一時的には批判的な意見を述べましたが、機関メディアの一つ「環球時報」が「トランプ氏は政治経験がないため外交のことをよく知らない。今回の会談はあいさつのようなもので決して外交ではない」と述べるなど、再び擁護的な風潮となっています。

『環球時報』(人民日報社)は「今後、中国政府はトランプ氏と台湾問題について語り合うべき」と述べ、「one more chance」(大統領就任後を期待します)と結論づけました。おそらく、中共政府は元企業経営者であるトランプ氏は利益を第一として政治を行うと考えています。そのため莫大なチャイナ・マネーを使えば懐柔できると予想しているのです。しかしトランプ氏はTwitter上で「中国は南シナ海に巨大な軍事施設を建設していいかとアメリカに尋ねたか?私はそうは思わない!」と書き込むなど、就任前から現職のオバマ政権とは正反対の対中国姿勢を標榜しています。

 政治経験が皆無なトランプ氏がどのような政治を行うか、現在は全くわかりません。ですが僕はトランプ氏が徹底した反中政策を実施し、中共政府の思惑が水の泡になることを望みます。

著者プロフィール

漫画家

孫向文

中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の33歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。新刊書籍『中国が絶対に日本に勝てない理由』(扶桑社)が発売中。

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