課題先進国ニッポンを救うイノベーションの教科書 (1/2ページ)

新刊JP

『日本流イノベーション――日本企業の特性を活かす成功方程式』(ダイヤモンド社刊)
『日本流イノベーション――日本企業の特性を活かす成功方程式』(ダイヤモンド社刊)

「産業革命」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、18世紀から19世紀にかけてイギリスで起こった、蒸気機関の発明に伴うものだろう。

しかし、「革新的な技術の開発と、それに伴う新しい価値の創造」ということでいえば、産業革命はこれまでに三度起こり、今まさに四度目が起きようとしている。

二度目の革命は、化石燃料による内燃機関という技術がもたらしたモータライゼーションだ。いうまでもなく、日本はこれによって世界の「勝ち組」になった。

三度目は記憶に新しい、コンピュータとインターネットによる通信技術革命だ。ここで覇権を握ったのはアメリカであり、乗り遅れた日本の落日は、すでに多くのメディアで報じられている通りである。

そして今起きつつある四度目の産業革命は、「AI」「IoT」「ロボット」「3Dプリンター」によってもたらされている。この「第四次産業革命」で、日本が進むべき方向性と戦略をつづっているのが『日本流イノベーション――日本企業の特性を活かす成功方程式』(吉村慎吾著、ダイヤモンド社刊)である。

■自動運転は自動車メーカーのビジネスモデルを変える

では、「AI」「IoT」「ロボット」「3Dプリンター」といった汎用技術を、日本はどのように生かしていけばいいのだろうか。その一例として挙げられているのが、日本の自動車産業が進むべき道である。

AIを活用した自動運転技術は今後さらに発展していくはずだが、そうなると自動車産業は単なる「製造業」ではなく「移動サービス業」の要素を帯びてくる。というのも、自動運転が広く普及すればするほど、車を所有することの意味合いは希薄になるからだ。

こうなると起きるのは、「所有から利用へ」の流れである。具体的には、コンピュータ管理によるカーシェアリングが主流となり、個人に車を販売して利益を出すのではなく、クライアントごとの移動距離によって従量課金するモデルへと、ビジネスモデルの変革が求められる。

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