高齢者に限らぬ孤独死”おひとりさまの死”が普通になる未来|やまもといちろうコラム (1/2ページ)

デイリーニュースオンライン

Photo by Georgie R(写真はイメージです)
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 山本一郎(やまもといちろう)です。このところいろんな社会保障ネタから財政までお話しする機会があります。先日も東京都西部の自治体に呼ばれたところ、現地で「こんな現象あるんですよ」と聞かされていたのが、この「おひとりさまの死」であります。

 もちろん、ポッとそれを聞くだけでは何だかよく分からないでしょうが、ちょうどこの原稿を書いているさなかに扶桑社の『日刊SPA!』が興味深い記事を掲載していました。

大量のエロ本に囲まれて孤独死…死後1か月以上経過した部屋のすさまじさ|日刊SPA!

 興味のある人は「特殊清掃」の単語で検索していただければ、見たいものから見たくないものまで様々出てくるわけなんですけど、問題となるこの孤独死については目下件数が激増しているという報告があります。というのも、これらの突発死については傾向として「必ずしも高齢者とは限らない」「発見されるまで死後かなりの日数が経過している」「個人的な遺留品の処理に困るケースが多い」といった特徴があります。

 よくネット掲示板などでも「うっかり死んだらハードディスクの中身を見られる」というネタが出るわけなんですが、これらの孤独死は多くの場合不審死として扱われるため、一通りの手続きを踏んで処理をすることになります。その際には、当然のことながらその人の趣味や経歴、直近で連絡を取った人や内容なども洗うことがあって、お世辞にも名誉なこととは言えない話が多数飛び交うことになったりもするのです。

 だからこそ生きているうちにそういう気まずいものは整理しておいてね、でカジュアルに総括することができないのは、死後かなり経って発見される残念な孤独死の割合が、40代から50代が半数弱を占める自治体があったりするからです。まだ元気であるはずの年代がひっそりと死んで問題となるには理由があります。もっと高齢になると病気がちになり、行政の目があったり定期的に通う病院があったりで、死んでもおかしくない前提で周囲も見ています。

 逆に、ある程度まっとうに生活していれば突然の死去など想定しない年代の人ほど、地域との繋がりが薄かったり、親族と交流が無かったりという「切り離された人々」であったりもするのでしょう。そして、実際に30代から50代にかけて起きる事例では、亡くなられた死体が腐乱して匂いはじめて、初めて周辺の住人が気づくということになるわけです。

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