直木賞作家から作家志望者へのアドバイス (1/3ページ)

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直木賞作家から作家志望者へのアドバイス
直木賞作家から作家志望者へのアドバイス

出版業界の最重要人物にフォーカスする『ベストセラーズインタビュー』!第88回に登場するのは、先日『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎刊)で、第156回直木三十五賞を受賞した恩田陸さんです。

『蜜蜂と遠雷』は、ある国際ピアノコンクールを舞台に、ピアニストたちの邂逅と葛藤、成長、「才能」という罪深い言葉が併せ持つ蜜と毒、そして音楽を描いた青春群像小説。

読んだ者をコンクールの興奮に巻き込み、脳裏に音楽を響かせるこの作品がどのようにできあがったのか、ご本人にお話をうかがいました。注目の最終回です。(インタビュー・記事:山田洋介)

■「上手な人は増えたけど…」小説家を目指す人に伝えたいこと ――子どもの頃、小説家になるということを意識したきっかけになった本がありましたら教えていただきたいです。

恩田:ロワルド・ダールの『チョコレート工場の秘密』だと思います。

この本のインパクトが大きくて、そこではじめて「物語には作者がいる」ということと、「この物語を書いた人はロワルド・ダールという外国の人で、それを日本語にする翻訳者という人がいる」ということを認識したんです。

あまりにおもしろかったので、「いつかは自分もこんなお話を書きたい」と思ったんだと思います、たぶん(笑)。

――それ以降はどんなものを読んでこられたのでしょうか。

恩田:手当たり次第に何でも読むという感じでした。ミステリやSFも読みましたし、いわゆる文学っぽいものも読んでいました。漫画も大好きでしたから、兄が買ってくる少年漫画を借りて読んだりもしていましたね。

――初めて書いた小説でデビューしてしまったことで、後々苦労したことはありますか?

恩田::二作目を書いている時に、何を書いていいかわからなくなってしまったことはすごくよく覚えています。たぶんそれが一番苦労したというか、自分にとっての大問題だったと思います。

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