アメリカの気候学者が教えてくれた、気候と気候学者に関する10の事実 (2/7ページ)

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・2. 気候と天気が別ものであるということを理解してほしい


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 2月だというのに半袖で十分な暖かさなら、気候変動のせいだと言いたくなるだろう。だがそれは天気の話であって、気候の話ではない。ある時期の平均気温が例年を上回っていると言うのなら、それが気候変動についての話だ。

 気候学者が関心を持っているのは、数年あるいは数十年に渡る平均気温やその他条件の変化、ならびにそれが広域的あるいは世界的な傾向であるのかどうかということだ。

 気温は気候という巨大なパズルの1ピースにすぎない。熱帯の海洋温度の上昇が北極の海氷を溶かす仕組み、シベリアの永久凍土の溶解によって大気に放出されるメタンの量、気候変動に起因する干ばつや台風の程度――こうしたことが気候学者の関心事項である。・3. 気候変動は新しい現象ではないが、未知の領域に突入している


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 気候システムは常に変動しており、氷河期から氷河期へというサイクルを繰り返す。氷河期と氷河期の間を間氷期といい、この期間に地球は数千年をかけてゆっくりと暖かくなる。現在、地球で起きている現象は非常に特殊である。

 データによると、大気中の二酸化炭素濃度は少なくとも過去80万年においては最も高い。人間の経済活動による排出や森林の減少が原因だろう。さらに前世紀の気温上昇速度は過去の氷河期と氷河期の間に起きたそれの10倍の速さだ。

 二酸化炭素のような温室効果ガスの濃度が高まるほどに地球の気温は上昇する。そして現在の排出速度は過去に前例のないものである。

 今現在、世界的な気温は上昇しており、氷床が溶け、海面が上昇し、酸性化が進んでいる。
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