アメリカの気候学者が教えてくれた、気候と気候学者に関する10の事実 (4/7ページ)
気温の上昇によって、薄っぺらくなった氷床を踏み抜かないよう肝を冷やした学者もいる。スノーモービルで移動していたら、突然胸まで氷の水に浸かってしまったということもあるのだ。
こうした危険を避けるため、気候学者はチームで行動する。彼らは人里離れた過酷な環境で何か月も過ごす。当然仲間内の絆は強く、ときにロマンスが芽生えることもある。・6. スーパーコンピューターがパズルのピースをはめてくれる
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気候モデリングを専門とする気候学者は、アマゾンの熱帯雨林で毒ヘビをかわしつつ木の年輪のサンプルを採取してくるような学者ほど英雄視されることはない。だが、彼らは必要不可欠な存在だ。
物理学や化学を基にする数学モデルと膨大なデータをスーパーコンピューターに入力し、地球のシステムと気候の相互作用を解き明かすのである。
気候モデルは過去半世紀で複雑化の一途を辿り、氷の反射率・雲の形成速度・植物を通過する水といった要素を組み込みつつ、現実世界のシミュレートを行なっている。
火山の噴火のような外部からの大きな力が気温・降雨・風に与える影響も予測することができる。西南極氷床の融解がこれまで考えられていた以上に速いことを明らかにした最近の発見も、気候モデルによるものだ。
しかし現在最高のモデルであっても万能ではない。現実世界の複雑さを完全に再現できる気候モデルは今のところ存在しないのである。・7. 温室効果ガスは1世紀以上も疑問視されてきた
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19世紀、過去に氷河期が存在したことが明らかになりつつあった。そして科学者らは寒冷化と温暖化の長期的なサイクルを作り出す原因を探り出そうとした。