『けものフレンズ』で号泣:ロマン優光連載80 (3/4ページ)

ブッチNEWS

それを最終話で提示されてきた伏線を見事に回収し、『Gガンダム』や『うしおととら』の最終回を思わせる熱い展開を盛り込み、ハッピーエンドに終わらせたたつき監督は本当に素晴らしいと思います。一部解き明かされていない謎もありますが、あの世界の住人が現時点で知りうることのできるものに関しては全て回収されていると思うので、個人的には全然OKです。
『けものフレンズ』は最初から丁寧に伏線を張ってきた作品ですが、低予算ゆえに少人数で制作されてるためか、制作者が意図していないかのように思える変な部分もたびたび見受けられます。あえてミスリードするために張られた伏線と、偶然生まれてしまった奇妙な部分がうまいこと混ざり合って、視聴者が様々な方向に上手いことミスリードされていったのかなという気がします。
 ギミックとして設定上の謎が組み込まれた作品は時として謎自体が主体になってしまってるものも少なくありません。しかし、『けものフレンズ』では謎はあくまで2人の友情物語を際立たせるための舞台装置に過ぎず、やっぱり、メインのテーマはOPの歌詞にある通りに「けものはいても のけものはいない」ってことだと思うのですよ。フレンズは仲間を見捨てないということなのです。何を言ってるかよくわからないと思いますが、人間が人間らしく生きていく上でとっても大切な何かが、この作品には詰まってるのです。
 確かに低予算で制作され色々と欠点も多い作品です。しかし、賢ぶった奴らが「糞コンテンツをみんなでいじって遊んでるんでしょ」とか言うのは、絶対に違うと言い切れると思ってます。ハイローもそうでしたが、欠点は確かに色々あるけれど、それを上回る良いところがある作品なのです。10点満点で5項目あるとしたら、全項目7点みたいな作品より、私は他が2点3点でも1項目だけでも10点取ってるような作品の方が断然好きなんですよ!
 作品の内容自体について色々言いたいことはありますが、まだ最終回を見られてない地方の人がいるので、とりあえずこの辺で。とにかく、『ようこそジャパリパークへ』という曲が単なる楽しそうな曲から、聞く度に胸の奥から熱いものがこみ上げてくるような曲に変わってしまったのは確かなことなのです。

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