豊田真由子女史の暴行騒動を一個人の問題で終わらせて良いのか|やまもといちろうコラム (1/2ページ)

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豊田真由子女史の件、一個人の問題で終わらせて良いのか(写真はイメージです)
豊田真由子女史の件、一個人の問題で終わらせて良いのか(写真はイメージです)

 山本一郎(やまもといちろう)です。仕事柄、いろんな変わった人と遭遇したり観察したりする機会が多いのですが、テレビでも自民党からの離党を表明した豊田真由子女史の「このハゲーーーーッ」には驚愕の声が集まっておりました。確かに身の回りのヒステリー持ちに困惑させられる機会のある身としても、やられたときの心臓がキュッとする感じを思い出して冷や汗が出る思いです。

衆議院議員 豊田真由子 公式ホームページ

 常識的には、経歴の素晴らしさや志の良さだけでは議員バッジを維持することはむつかしいかもしれません。ほとぼりが冷めるまで心身症で入院しつつ、気持ちの整理がついたころに謝罪会見、流れによってはそのまま議員辞職して補選になるかどうか、といったところでしょうか。これが上西小百合女史のように維新からの離党後も元気よくほうぼうでネタを振り回る感じでもなさそうな豊田女史は、そのまま消えていってしまうんだろうか、と思ったりもします。

 豊田真由子女史の顛末については、学生時代からの同窓を名乗る田中女史とかいう変わった感じの女性がセカンドレイプ気味の記事を書いたりして、読む者に「こういう馬鹿にしゃしゃり出られて、豊田女史も可哀想」という気持ちにさせるプレイが見られました。また、その豊田女史の秘書だった田中慧さんが寄せているコメントが興味深い内容でしたので、興味のある方は併せて御覧いただけるといいなと思います。

豊田真由子さんと私の関わり

 今回の件は、国会議員である豊田女史が部下、秘書に強い叱責をしたということでその人間性が話題になったわけですが、実際のところ、官公庁や地方自治体の仕事をしていると、このような問題にブチ当たることはままあります。というのも、特定の政策や事業などで地元の説明会を開くと、かなりの割合で「訳の分からないことを言う住民」に遭遇することになるからです。

 一番恐ろしいのは、遠巻きに立ち会っている当方が身の危険を感じたり、説明している公務員が殺されるんじゃないかと感じるほど、どうしようもない殺気だった状況に陥るケースです。説明を聞いている側がいきり立って、いまにも壇上で説明する公務員に殴りかかるんじゃないかというぐらいの状態になるのを見ると、こりゃ容易じゃないぞと思うわけですね。

 私個人の経験で言えば、以前復興庁の仕事を少し手伝った際に、いまひとつ根拠のない不安に駆られた地元住民が「お役所はデータを隠している」と説明会の最中に怒り始めて、議事の進行を妨害して必要な説明が充分にできなかったという事例がありました。こう書くとなんか大変だったんですねぐらいの話に見えてしまいますが、それはそれは会場全体が怒りと困惑に満ちていました。人生を振り返って、債権者集会のようなまだカネの繋がりでああだこうだ失敗した経営者に文句を言うレベルはまだマシだったと感じるぐらいです。会議室が熱気というよりは殺意で満ちていました。

 それも、説明の場に立っている地方公務員は、もちろん責任者ではあるんでしょうが、彼に怒りをぶつけてもどうしようもないのです。また、怒る住民の側も生活の安全を脅かされた思いも、明日から家族を抱えてどうしようという悩みも両手いっぱいに抱えていますから必死です。普段の日常生活であれば、誰かを傷つけたり殴ったりするようなことなど絶対にしなさそうな人たちが、自らが不当な場に追いやられていると思い込んだときの負のエネルギーというのは凄まじいものがあります。ずーっと、罵倒して叫んでいますから。声を枯らして。

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