夏の甲子園「舞台裏」① ドラフト候補生を絞り込むヒミツ査定法 (1/2ページ)

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夏の甲子園「舞台裏」① ドラフト候補生を絞り込むヒミツ査定法

 夏の甲子園大会(第99回全国高校野球選手権大会)は、ドラフト候補の有望球児を見極める絶好の機会ともなる。

 だが、甲子園での活躍や勝敗結果で「指名」が決まるわけではない。スカウトは練習も見ている。極端な話、12球団のスカウトは中学時代から目を付けていた「金の卵たち」が高校に進んでどれだけ成長したかを確認しているのであって、たとえ試合本番で無安打に終わったとしても、練習態度がマジメで、向上心も持っているのなら、ドラフト会場に持ち込む最終名簿に名前を残すという。

 「様子を見ましょう」

 近年、スカウトの間では、こんな言葉がよく使われる。指名リストに残すか否かのボーダーライン上にいる球児に対し、判断が付きかねるときに発するのだ。言ってしまえば、指名リストに残らなかったわけだが、大学、社会人に進んでからも野球を続けるのは間違いない。最終判断は「次のステージ」まで持ち越そうという意味だ。

 また、ストップウォッチやカメラ、スピードガンなどの測定器を持ち歩くスカウトもいるが、近年では、数字はあくまでも“参考程度”。投手を例に出せば、たとえ130キロ台しか投げられなくても、「ある基準」を満たしていれば、指名候補に残すそうだ。その「基準」とは――。

 「体格にも恵まれているのであれば申し分はないが、ダルビッシュ有のように190センチ以上の大柄な投手もいれば、170センチそこそこの投手もいます。体格に恵まれた投手が欲しい。一方で、170センチそこそこでもプロで活躍している投手もいます。投手のどこを見ているかといえば、肩の稼働域の広さ、股関節の柔軟性ですよ」

 在京スカウトの一人がそう言う。

 同様に、スカウトは「修正可能か?」という評価基準も持っている。これは大学生の話だが、2015年、阪神は明治大の高山俊外野手を1位指名したが、東京六大学リーグでその高山に勝るとも劣らないと高い評価を受けていた谷田成吾外野手(慶応大)が指名されなかった。それは、彼の打撃フォームを見て、「修正が難しい」と判断されたからだという。

 「今のままで通用する選手なんて一人もいません。打撃フォーム、投球フォームを微調整しなければなりません。

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