17歳、津久井萌がリズム作る。サクラフィフティーン、フランス戦前日の表情。 (1/2ページ)

ラグビーリパブリック

童顔。152cm、53kgも、高速アタックの発信源。ちなみに現地は夜8時でこの明るさ。

 これまで見てきた中でいちばんだった。

 8月9日にアイルランドのダブリンで開幕する女子ラグビーワールドカップ。初日にフランスと対戦する日本代表(サクラフィフティーン)が8日の午後7時から1時間弱、前日練習をおこなった。冒頭の言葉は、キャプテンズランを見た有水剛志ヘッドコーチの言葉だ。

「ミスがなかった。そして、一人ひとりが連動していました。これまでに見たことのないほど」

 大舞台だ。緊張は仕方ない。だけど、それはきっと集中につながる。指揮官は、「持てる力を100パーセント出せば絶対にいい戦いができる」と期待する。

 チームは目指す形の95パーセントに仕上がった。試合時には完成形を見せてくれると手応えを感じたキックオフ1日前だった。

 キーマンは高速アタックの発信源となる津久井萌(つくい・もえ)だ。フランス戦では9番を背負ってピッチに立つ。

「早く、いいテンポでパスして、アタックで貢献したい」

 自分の役目は理解している。「緊張しています」と正直に話すが、「勝ちたい。不安は少しありますが、絶対にベスト8に入る」と覚悟を口にした。「全員が同じ気持ちで戦います」と話す。

 群馬・東農大二高の3年生で、まだ17歳。昨夏のピンクリボンカップ(菅平/15人制)で津久井のプレーを見た有水ヘッドコーチが、球さばきのはやさに惚れ込み、招集した。

 中学時代に群馬県スクール選抜に選ばれて全国ジュニア大会へ出場したことはあるものの、セブンズアカデミー等に選ばれたことはない。サクラフィフティーンで鍛えられ、世界に出た。

 兄・壯(そう)さんが高崎ラグビークラブに入ったのをきっかけに、5歳のときから同クラブで楕円球を追い始めた。小学3年時からSH。昨年、NZ留学中の兄を頼って自身も王国に渡り、クライストチャーチにあるバーンサイド高でプレーした経験もある。

 そこであらためて感じたことがある。小さな自分は、高速で動かないと何もさせてもらえなかった。

 やるべきことは決まった。

 有水ヘッドコーチが言う。

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