【現代医学と歴史】狂犬病がヤバイ! 日本では西暦717年から発症記録あり! もし噛まれたらリアルバイオハザードだった (3/5ページ)

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流行があったか否かは定かでないですが、狂犬が和名であることと、わざわざ法律にするということは、多少なりとも日本で発生していた可能性が考えられます。

ただし、984年の医学書に記載された狂犬病は、随、唐の原著を転記したと推測。次に『狂犬』の言葉が出てくるのは、皆さん歴史の授業でご存知『生類憐みの令(1692年)』でした 。平安時代から江戸時代まであまり記録が無かったということは、その間の発生はほとんどなかったのかもしれませんね。

ともかく、生類憐みの令には、「狂犬つなぎをかざる所は曲事たるべし」 、つまり「狂犬をつないでおかないのは違反ですよ」と書いてありました。万が一、この時代に狂犬病が流行したら、『生類憐みの令』のため犬は殺せないわ、犬と関わるのを嫌がった人々が犬を捨て野犬だらけだったわで恐ろしいことになっていたと思います。でも、平気だったんでしょ。なーんだ、日本で狂犬病の心配はないんじゃん! と思われた方、安心できませんよ。

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・江戸から昭和にかけ断続的に発生していた
1732年、長崎から狂犬病が伝播。4年後に江戸へ到達し、約30年かけて本州最北端の下北半島に到達しました。おそらく出島の外国船から入りこんで来たのでしょう。その頃、狂犬病は治療法が確立しておらず、「傷口の血を絞り出し、傷を尿で洗い、その後に灸を施す。噛み付いてきた犬を殺し、その脳みそを傷に塗れればなお良い」などという、非常に乱暴なものでした。前半はウイルスが除去できそうな感もありますが、後半はあかんやつやで~。

その後も日本で断続的に発生し、明治になって「獣疫予防法」が制定されると、法定伝染病に指定されました。政府としても本気で撲滅対策を講じたのです。が、その期待は見事に裏切られます。1925年の関東大震災が発生、それを機に大流行したのでした。ただし、このあたりから再度、野犬の駆除などを徹底し、昭和3年、狂犬病は激減しました。

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