水原希子のサントリーCMへの批判と米山隆一・新潟県知事”炎上発言”の深層|やまもといちろうコラム (2/2ページ)
一方、タレントの水原希子(26)を起用したサントリー「プレミアムモルツ」の宣伝においては、今度は東京新聞が焚き付けるような形で水原希子に対する差別発言が続出している状態です。
#今日はパエリアとプレモルと
— ザ・プレミアム・モルツ (@PremiumMalts_jp) 2017年5月11日
水原希子さんがパエリア作りに挑戦!#母の日 はおいしい料理と #香るエール を愉しんでみませんか? https://t.co/2FKcru6xeQ #惚れたっ #赤より白より青が好き pic.twitter.com/9yStBy2rxz
もともとアメリカ人の父親と韓国人の母親を持ち神戸で育ったという水原希子が「日本人ではまったくないのに日本人名で日本人のように日本で活動している」というあたりに批判の軸足を持つ批判が続出している状態で、他の韓国人タレントを起用するよりも強いアレルギー反応を起こしているようにみえるのが印象的です。
石平太郎さんにせよ、水原希子にせよ、著名人の出自で問題視されることはもちろん、誰が批判したかでこれを報じる新聞社が産経新聞になるのか東京新聞になるのかが決まるというのも興味深いところです。左派系知識人から新潟県知事になった米山さんの差別発言は産経新聞が攻撃し、twitterに棲息するネトウヨが水原希子を中傷すると東京新聞が紙面にすることになります。紛れもなく党派性そのものです。こうなるともはや差別発言に対する批判自体は単なる話題の「具」であって、実際にはそれを言った人の属性で右と左に分かれて論争しているに過ぎない、ということがよく分かる事例なのではないかと思います。
昨今のネット発言によるウェブ炎上は、ある意味で失言をした人のバックを取りに行く敵対的な党派の人たちによる仕掛けが増えてきたように思います。単純にみんなが問題だと思って話題にするというよりは、嫌いな人が無分別な発言をうっかりしたときに槍玉に上げに行く仕組みがかなり整ってきているのではないかと感じる次第です。
著者プロフィール
ブロガー/個人投資家
やまもといちろう
慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数
公式サイト/やまもといちろうBLOG(ブログ)
やまもと氏がホストを務めるオンラインサロン/デイリーニュースオンライン presents 世の中のミカタ総研