ミサイル解散の観測と意味の分からない小池百合子・都民ファースト界隈|やまもといちろうコラム

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ミサイル解散の観測と意味の分からない小池百合子・都民ファースト界隈|やまもといちろうコラム
ミサイル解散の観測と意味の分からない小池百合子・都民ファースト界隈|やまもといちろうコラム

 このところ、与党自民党と公明党周辺や安倍政権から、衆議院を解散して10月22日投開票を目指すという謎の観測が持ち上がり、あれよあれよという間に解散について具体的に安倍晋三首相(62)が言及するという展開にまで発展してしまいました。もちろん8月ごろから年内早期解散があるかもしれないという話は公明党からさかんに出ていたのは事実なので、それなりに時間をかけて熟慮して決断したのであろうということぐらいまでは分かります。

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 実際のところ、安倍政権の支持率回復傾向というのは6月7月は森友学園、加計学園問題が引っ張られてなかなか浮上の目がなかったところ、文字通り寝た子を起こすような北朝鮮からのミサイルが日本のはるか上空を通過していったことで安全保障面で国民が目が覚めて急回復するにいたります。

「ミサイル解散」というのは安倍政権からすればサンキュー北朝鮮というべきものであり、支持率の回復自体も9月の月齢意識調査でようやく支持が44%で不支持を上回る、というレベルです。それでも解散にいたった理由は大方の予想通り民進党のドタバタと、反自民党票の受け皿となるかもしれない小池百合子女史(65)率いる都民ファーストの国政進出版である若狭新党(仮)の態勢が整わないうちに選挙をやってしまえ、ということに過ぎないと目されるところです。

 ところが、実際に小池百合子女史の周辺を見ていると、都知事に就任して以降、豊洲市場移転問題を筆頭に東京五輪開催の施設問題や必要な湾岸・2号線の建設が遅れ、さらには待機児童問題や通勤問題、高齢者対策といった本来都知事が取り組むべき課題が目白押しであるにもかかわらず大した動きがないまま放っておかれている、というのが現状ではないかと思います。もちろん、都庁も機能的な大組織であるぶん、担当部門が精励して頑張っている部分はあるのでしょうが、あれだけ情報公開と言葉通りの都民第一の政策実現を目指すのであれば、国政進出で党利党略と言っている場合でもないはずです。

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■大多数にとって好ましくない結果も

 先日は、東京地検も関心を示しているとされる、アントニオ猪木議員(74)の横領問題で揺れる東京と特別秘書の野田数さん(44)が都民ファーストの党代表を辞任し、都の政策に専念するという発表がありました。と思えば、今度は東京都の特別顧問という形で迎え入れられていた小島敏郎さんが都民ファーストの顧問に転出。これも、東京都庁内の幹部が暴虐に耐えかね内部通報の形で外部に持ち出したネタが「子飼いの都議に知事に対する都議会での『やらせ質問』を仕込んだ」という途方もない内容であって、以前もこれで元副知事が百条委員会で吹き飛ばされるという顛末になっているわけです。情報公開を旨とする小池陣営、本来なら問題を詳らかにして小島敏郎さんに詰め腹の一つも切ってもらうはずが、上手く処理をしようとして自分のところの政党の顧問に迎え入れるというどうしようもない状況ですので、いずれ話は動く可能性はあるでしょう。

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 何より、今回の選挙は官邸としては「消費税増税と社会保障改革の是非」を、野党としては「森友問題・加計問題を隠蔽する不当な解散」を争点にしたいのでしょうが、実際にはいまの国民は北朝鮮をはじめとする安全保障をもう少しどうにかしろ、という考えが強いのではないかと思います。もちろん、一か月以上先の投開票では全然違う問題が持ち上がっている可能性もあるでしょうが、そもそも安倍政権の支持率が回復した理由は間違いなく「北朝鮮のミサイル」なので、やっぱり有事に強い安倍政権という二つ名は二年前の安保法案強行採決の際に、支持率を大きく落としても安全保障への取り組みは必要だからやる、と不退転の覚悟で取り組んだ安倍政権の「塞翁が馬」ではないかとすら感じます。

 それが本来の政権担当能力なのだ、と嘯く与党筋も少なくなく、確かにそこはファインプレーなのでしょうが、かといって、今回本当に勝って消費税引き上げは本当にやるのか、またフリーハンドが与えられたわけではない憲法改正にまで踏み込んでいくのかは、国民の関心事項というレベルを超えて考えていかなければならない問題であろうと思います。国政は国政で問題が山積の状態で、選挙後にどう捌いていくのかしっかりと考えなければならない状況であることに違いはありません。

 個人的には、これだけの難題がある状況で五輪も市場移転も待機児童もほとんど解決しない小池女史が国政に野心を持ったところで、都民にとっても大多数の国民にとっても好ましくない結果しか及ぼさないのではないかと心配になります。どうもかろうじて政党要件はクリアできる模様ですが、肝心の候補者を立てるための資金を短期間で調達できるのか、あるいはお金を払ってでも出たいという候補者を集められるのか、不安要素でいっぱいです。本当にこんなことで大丈夫かと感じてしまうわけですが、どうにかなるんでしょうか、我が国は。

著者プロフィール

やまもといちろうのジャーナル放談

ブロガー/個人投資家

やまもといちろう

慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数

公式サイト/やまもといちろうBLOG(ブログ)

やまもと氏がホストを務めるオンラインサロン/デイリーニュースオンライン presents 世の中のミカタ総研

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