キングオブコント2017の優勝はかまいたち!2016年からの決勝での活躍をプレイバック

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キングオブコント2017の優勝はかまいたち!2016年からの決勝での活躍をプレイバック
キングオブコント2017の優勝はかまいたち!2016年からの決勝での活躍をプレイバック

 コントの日本一を決める『キングオブコント2017』の決勝戦が10月1日、TBS系列で生放送された。見事優勝したのはお笑いコンビ・かまいたち。2016年にはじめて決勝進出し総合3位、決勝戦2回目の出場にして10代目キングに輝いたことになる。さらに今大会2位は結成5ヶ月で話題となっている男女コンビ・にゃんこスター、3位はさらば青春の光という結果になった。

 本記事では、今回のキングオブコント決勝戦を振り返りながら、かまいたちのコントのスタイルに迫りたい。

 かまいたちは、2004年に結成。ボケ担当で身長が低い方、山内健司(やまうちけんじ)と、ツッコミ担当の濱家隆一(はまいえりゅういち)のコンビである。漫才のナンバーワンを決める『M-1 グランプリ』では2015年に準決勝まで進んだ経験がある。

 キングオブコントには2008年から出場しているが準決勝どまりだった。漫才も得意としているが今回はキャラクター設定や、ストーリーがあるコントで優勝。2,477組のエントリーの中から、勝ち抜いた10組が決勝戦ファーストステージに登場した中、かまいたちは「告白の練習」、上位5組が進出できるファイナルステージでは「ウェットスーツ」のネタを披露した。

2017年 ファーストステージ「告白の練習」

 学校イチのマドンナから告白され「たら」という空想を公園でひとりでシュミレーションしている学校イチ冴えない男・山内と、それを木の陰から見てツッコミを入れる濱家という設定だ。一見、リアルに告白されている場面かと思いきや、濱家のツッコミで練習だったとわかる。さらにその練習を見られているという設定で、「練習が見つかったときの練習」をする後半の場面は、ハラハラしたり、笑えたりと緩急が素晴らしかった。審査員のひとりである三村マサカズも「後半の畳み掛けで得点を加算した」と評価し、464点を獲得、ファーストステージ2位となった。

2017年 ファイナルステージ かまいたち「ウェットスーツ」

 Lサイズのウェットスーツの試着を頼む山内と、間違えてXSサイズを着せてしまった店員・濱家のふたりが、いかにしてそのウェットスーツを脱ぐか(脱がすか)の攻防を繰り広げる。ただそれだけなのに、だからこそわかりやすく面白い。ファイナルステージ478点、合計942点で優勝が決定した。

 2位のにゃんこスターが、ファーストステージと類似のネタをファイナルステージで披露したのに対し(それはそれで伏線が張られて良かったのだが)、かまいたちはボケとツッコミを入れ替え、がらりとストーリーの趣向を変え、さらなる笑いを求めてきたところが優勝につながったのではないだろうか。

 とはいえ芸歴13年。面白いコントは今回だけではない。とくに、2016年のキングオブコント決勝戦はかまいたちを読み解くきっかけになるだろう。

2016年 ファーストステージ

 ファーストステージでは、濱家はまったく言葉を発せず、お面をかぶって顔の表情すら見えない状態で同じ動きを繰り返すのみ。山内がストーリーを展開した。

2016年 ファイナルステージ

 さらにファイナルステージでは、2017年大会と同様、ボケとツッコミの役割を変え、山内が生徒としてクラスメートのあらゆる物を盗みながらシラを切り続け、それに対し濱家がクラスの担任としてツッコんだ。

 これら4つのコントからもわかるように、かまいたちのコントは、同じことを「繰り返す」ことによって状況をエスカレートさせ、物語のオチに持っていくパターンが多い。わずか5分足らずのコントのなかで既視感や飽きを与えずに、この繰り返しを観客に面白いと認知させ引き込んでいくのは流石の実力である。

 今大会の優勝へ向けて、別段コントのスタイルを変えたわけではないだろうが、「繰り返し」からコントのオチへの畳み掛けが、昨年よりディープになっている印象を受けた。その分、緩急が明確になり、笑いに対する狙いを定めているように感じる。これこそが、今回の優勝の鍵になったのではないだろうか。

 筆者は京都出身、在住。全国区進出への野望を聞かれている二人を見て、「おや?」と疑問を持った。自宅でテレビを見ていると、かなりの頻度で出演している彼らを、すでに世間に浸透しているように思っていたのだ。たしかに、現在テレビとラジオを合わせて8本のレギュラーを抱える売れっ子なのだが、どれも関西圏での活動らしい。おそらく大会優勝者として忙殺される日々がはじまるのだろうが、「オファーがあれば」と全国区への進出を意気込んでいる二人、関西で鍛えた笑いでタフに乗り切って欲しいものだ。

なお決勝進出時の記者会見の模様は、「TBS公式 YouTuboo」のこちらの動画でご覧いただける(かまいたちは30秒から)。

文・kamito努

かみと ゆめ。京都市内在住、フリーライター。映画やドラマ、アニメ、ミュージカル、宝塚など幅広くエンタメが好き。作品や役者に関する執筆が多い。twitter→@kamitoyume

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