本当は怖かった 金本監督の「笑顔会見」に隠された強さとは (2/2ページ)

リアルライブ

金本監督は笑っていたが、同席した四藤球団社長がすでに退場したのを知っていたからだろうか。助っ人の機能しない野手陣の打線を組んできた今季の苦労も口にしていた。

 会見に戻るが、金本監督はドラフト会議(10月26日)の話題についても聞かれ、清宮幸太郎(早実)へのラブコールを改めて送り直した。

「ウチはもう、清宮(で1位入札する)と決めていますから」

 複数球団による入札重複は覚悟の上。抽選クジで運命を決めることになるが、金本監督は「(クジを)引けといわれれば引きますが、社長が引いてくれるんじゃないですか?」とも話していた。四藤球団社長は慌てて、「いえ、いえ。お願いします」と返していた。

 同社長の表情がくずれたのは、そのときだけ。聞く人が聞けば分かる“公開批判”は、金本監督の圧勝に終わった。

 関西地区で活動しているプロ野球解説者がこう続ける。

「阪神の編成スタッフ、スカウトは清宮の指名に失敗したら、投手中心の補強を行うと決めています。そうなると、金本監督の求めるホームランバッターはやはり外国人選手で補うことになり、渉外担当の責任は重大です」

 昨年の阪神のドラフトが思い出される。先発タイプの即戦力投手の1位指名を決めていたフロントに対し、金本監督は「どうしても!」と訴え、大山悠輔(22)に変更させた。フロントがシーズン途中に緊急で獲得したロジャースよりも、終盤戦で活躍したのは大山のほうだ。CS3試合で脅威の打率5割3分8厘をマークし、レギュラーシーズンも後半戦での合流ながら、本塁打7、打点38を稼いでいる。その大山をシーズン最終戦でセカンドを守らせたのは、『一塁のポジション』を開けておくためである。

「ロジャースよりも大山のほうが戦力になりました。金本監督の見る眼は間違っていません」(在阪記者)

 一塁を守るのは清宮か、フロントの連れてくる新外国人選手か、それとも、今季不振だった原口文仁が巻き返すのか…。一連の金本監督の言動を考えると、清宮の指名に成功したとしても、ドラフトリストにも『喝』を入れてきそうだ。

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