「…と植え付け」「粘る過程で…」。肉声で迫る早明戦。 (1/2ページ)

ラグビーリパブリック

<関東大学対抗戦A>明治大 29-19 早稲田大(2017年12月3日/東京・秩父宮ラグビー場)

 後半38分、敵陣22メートル線辺りでのことだ。

 早大のCTB中野将伍が迫るのに対し、明大のFL井上遼が鋭く飛び出す。なんとか、足に手をかける。

「強いキャリーにフリーで持たせたらしんどくなる。プレッシャーを」

 CTB中野の進路にはさらに防御が待ち、倒れた先へはNO8朝長駿が絡む。密集で球を離さぬ反則を誘い、SO忽那鐘太がペナルティゴールを決める。ロスタイムを含め約4分を残し、10点差をつけた。

 折しもペナルティトライで26-19と7点差に迫られた直後とあって、今季2試合目の先発で渋く光ったNO8朝長は味方にもみくちゃにされた。戦後、本人はかく振り返るのだった。

「あれは自分の得意とするプレー。どこかで決めたいと思っていた」

 前売り券完売のカードにあって、早大は接点脇で低いタックルを連射。明大の雪崩をせき止める。攻撃中の接点でも、概ね球の真上を陣取った。

 ただ要所で得点したのは、明大だった。前半5分の先制点は自陣22メートル戦付近右でのインターセプトから。CTB梶村祐介副将が相手の攻撃規則を踏まえ、早大のSO岸岡智樹からPR鶴川達彦へのパスコースへ入る。走り切る。

「鶴川君にプレッシャーをかけようとしたところへパスが。こっちが守っていても、攻める早大の方がしんどそうだと感じていました」

 7-7とされて迎えた前半29分には、敵陣の密集近辺でかすかに生じた穴をSH福田健太が侵略する。NO8朝長にトライさせる。

 さらに19-12とリードして迎えた後半22分には、やはり敵陣でSH福田が起点となりその周辺をえぐる。間もなくゴール前右のスクラムから攻め直し、自ら、インゴールへダイブ。

「前にライン(境界線)を切ることにフォーカスしてきた。試合序盤から(自身の目の前は)空いていると思っていた。最初は僕がパスしかしないと相手に植え付け、前半と後半の最後にああいった形で…」

 直後のゴール成功で、スコアは26-12。その後も早大はへばりついてきたが、クライマックスでのNO8朝長の一撃で逃げ切った。

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