リーゼントだるまに乗っ取られる町を描く、ちょっとシュールな絵本「だるまだ!」が面白い (1/3ページ)
海を渡ってやって来た「だるま」が町に侵襲?
「だるま」と言えば、高崎や川崎大師、浅草などの観光名所で売られる民芸品で、選挙や受験の必勝や1年の幸せを願って目を描き入れる縁起物。近年では様々なキャラクターを模した、かわいらしいだるまも増えています。
そんなだるまが大量発生して町を占領したら・・・?
にわかには想像もできないシチュエーションを描いた絵本が、『だるまだ!』です。
非常にシンプルなタイトルですが、表紙からして何かが起こりそうな印象ですね。
だるまがいっぱいのシュールなストーリーお話はは海のはるか彼方から、赤い何かが流れてくるシーンで始まります。
赤い何かは、リーゼントを決め込んだ「だるま」の大群でした。彼ら(?)は次々に「ざざざっ、ざざざっ」と陸に上がりました。
海辺の町の人たちは、なぜかみんなだるまを持ち帰ります。
このページには「ひとりが だるまをもちかえるのをみて たくさんのひとがそれにつづきました」との一文があるだけですが、絵を見ると、人によっては抱えきれないほど大量のだるまを持ち帰っていることが分かります。
「ただでもらえるものは、何でももらえるだけもらおう」と考える人はどこにでもいるものですが、こうしてだるまは町中に広がっていくことになります。