なぜ語彙力があると「デキる」と思われやすいの?――【言葉の専門家×若者】社会で活躍するための“語彙力”基礎講座<前> (6/8ページ)

新刊JP

みんなと同じ普通の言葉を使っていれば、その場限りで終わってしまうはずです。相手が「おっ」と思う言葉を使う。そして周囲の目を引く。それは人生の策略といってもいいんじゃないですか

佐伯:私は自分で意識してやろうと思ってできないかも…。

山口:語彙力をつけるということは、策略の一つと思っていいでしょう。自分のやりたいことをして生きていくためには、誰かに注目され、誰かに気に入られ、誰かを説得しないといけません。もしくは、誰かの優位に立つ必要が出てくることもあるでしょう。そのときに武器になるのが言葉です。相手が使えない言葉、みんなが使えない言葉を巧みに織り交ぜて、興味や関心を引きつつ、言葉のキャッチボールをしていくんです。自分が投げた言葉に相手がどう反応するか、そこで関係が深まっていくわけですから。

■「ヤバい」を広めたのは川端康成!? ら抜き言葉も…

――私は今、30代も半ばに差し掛かっていて、自分たちの世代でも「ヤバい」って言葉をよく使っていましたが、今の若い子と話すとさらに「ヤバい」の浸食を感じますね。

佐伯:あー、確かに何かあると「ヤバい」で済ませちゃってるかもしれません…。

岩崎:「ヤバい」だけで会話が成り立つみたいなこともありますよね。

佐伯:それある! しかもポジティブな意味で使うし。

岩崎:どんどん語彙力がなくなっている感じがします(笑)。

秋吉:「ヤバい」って昔は良い意味ではない言葉だったらしいですけど、今はどのタイミングでも「ヤバい」って言っちゃいますよね。

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