<不定期連載 壁を打ち破れ!~サンウルブズの挑戦>  上野裕一ジャパンエスアール会長が考える日本ラグビー未来像⑫ 最終回/トップ5入り掲げた新シーズン開幕前に書き残しておきたいこと  神風に頼らず、SANZAARの意向にも翻弄されない真の先駆集団へ (2/5ページ)

ラグビーリパブリック

 その土台に立脚しながらも、実態としてはそこから離れてグローバルスポーツビジネスとしてのチャレンジを始めたのがサンウルブズです。

 そんな新しい集団としてスタートする際に、ゆくゆくはスポーツ界の松下政経塾のようなエリート養成機関的な側面を持つ集団にしていきたいと考えたことも、当連載で既述したとおりです。

 もちろん、トップリーグに参加しているのが世界に誇るべき日本の一流企業ばかりであることから言っても、これまでも日本におけるラグビーマンたちがビジネスエリートの一翼を担ってきたのは間違いないでしょう。

 ただし、まだまだ足りない、というのが私の実感でもあります。

 一番気になるのは、日本のラグビーエリートたちは小さい頃から勝利至上主義に染められすぎていないか、ということ。

 目先の勝利を最優先するため、将来的に世界トップのプレーヤーになるためのスキルやラグビー観の醸成が軽視されてしまう。極端な話、ケガに対する正しいケアもなされなかったりする。

 本来、一番大切にするべきはずの「どういうラグビープレーヤーを育成していくのか」という観点が欠けがちだと思うのです。

 これも報道等ですでに周知の方も多いと思いますが、私は昨年の11月19日付けでアジアラグビー(アジアラグビー協会)の副会長にも就任しました。

 今後は日本のみならずアジアにおけるラグビーの発展のためにサンウルブズはどうあるべきかを、いままで以上に考えていかなくてはならないと思っています。

 当然ながら、日本だけではなく、アジアにおいてもサンウルブズは唯一の存在です。

 日本ラグビーにおける先駆の象徴であるとともに、アジアラグビーにおける先駆の象徴でもある。

 今シーズンはシンガポールでの開催が1試合のみとなりましたが、SANZAARとしても、もともと日本だけには止まらないアジアにおけるラグビーのマーケティングポテンシャルも考えて、サンウルブズをスーパーラグビーに招き入れたという側面は間違いなくある。

 だからこそ、サンウルブズはアジアの人たちから憧れを持ってもらえるような存在にならないといけない。

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