秋津壽男“どっち?”の健康学「他人からも指摘されづらい口臭の危険とは。口内の問題だけではなく内臓疾患の可能性も」 (1/2ページ)

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秋津壽男“どっち?”の健康学「他人からも指摘されづらい口臭の危険とは。口内の問題だけではなく内臓疾患の可能性も」

 口臭マナーとして、ニンニク料理を避ける人は少なくないでしょう。特に営業職や接客業の場合、ランチで餃子などを躊躇した経験は誰しもあるでしょう。

 食べ物が原因の口臭は一時的なものですが、ここで質問です。日常的に口臭がする場合、その原因として「病気のシグナル」の可能性も考慮すべきでしょうか。

 口臭にはさまざまな種類があります。「口の中」に原因があるケースとしては、歯茎に歯垢がたまり炎症を起こした個所からニオイが発生することがあります。悪化すれば、歯槽膿漏や歯周病となります。その原因となる細菌が、硫化水素やメチルメルカプタンのガスを発生することにより口臭が出るというわけです。

 それだけではありません。歯周病菌が歯茎の隙間から体の中に入り込み、心臓の血管の壁に付着し、結果的に動脈硬化を引き起こすことがわかってきました。同じく脳の血管が詰まって脳梗塞となることもあり、歯周病の人は通常の3倍も脳梗塞になるリスクがあるとも言われています。

 重大病にもつながりかねない歯周病ですが予防策としては、ブラッシングやマウスウオッシュを使うこと、食事の際によくかむことです。あまりかまずに食べると食べ物のカスが歯の周りに残るからです。食べ物のカスが気になる方はガムをかむのも一つの対策です。

 もう一つの口臭要因は内臓から発生するガスによるものです。卵の腐ったようなニオイがする場合、胃などの消化器系に疾患があることがあります。消化不良により、食べたものが胃の中で発酵します。そこで発生したニオイ物質は腸管から吸収され、血流に乗って肺から排泄されることで口臭の原因となるのです。また、腸の働きが低下し、腸内の悪玉菌が増加してニオイ物質を発生させることもあります。

 がんと口臭の関係も無視できません。肺がんや喉頭がんの患者さんからは肉が腐ったようなニオイがします。この症状は肺や鼻、喉など炎症を起こしている部分の皮膚組織が化膿し、菌が増殖したことが原因です。

 肝硬変や肝臓がん、腎不全の患者さんからはアンモニア臭がします。まず、食事からとったタンパク質が分解されるとアンモニアが体内で発生します。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「他人からも指摘されづらい口臭の危険とは。口内の問題だけではなく内臓疾患の可能性も」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2018年 3/29号“どっち?”の健康学秋津壽男ガン口臭カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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