寿命を縮める「危ない外食」最新版(4)中国・ベトナム経由の業務用カレーは「工業製品」 (1/2ページ)
さて、1週間の激務も終わり、今日は日曜日。たまの休みくらい家でゴロゴロ過ごしたいものだが、そうもいかない。妻と長女に付き添って近所の大型スーパーで買い物。その後はファミリーレストランで夕食、というのが定番の家族サービスコースだ。
レストランでAさんは、ホッケ定食を食べることに。妻はプリプリのエビが載った海鮮丼、長女はビーフカレーを注文することに。この選択に、小若氏は再び顔をしかめた。
「よく背骨がスッと取れないホッケがありますが、あれは注射器で骨に調味料が注入されているから。つまり、さきほど説明した肉だけでなく魚にもインジェクション処理が行われ、かさを増しているんです」
エビがプリプリなのは必ずしも鮮度がいいわけではなく、保水効果のある重合リン酸塩を用いてエビを水で満たしているから。その分だけ重量も体積も増えるので、これもかさ増しできる。
「さらに塩や酒、化学調味料をエビに染み込ませているため、味もいい。つまり、プリプリした食感があり味がいい、と感じるエビにはそんなカラクリがあるのです」(小若氏)
リン酸塩は胃腸で吸収されずそのまま排出されるため、毒性はないとされるが、
「ただし、リン酸塩は胃の中でミネラルと結合し、そのままミネラルも一緒に排出するので、体をミネラル不足にしてしまうんです」(小若氏)
無害と認められている以上、使用量の制限がないため、ありとあらゆる食品に使われ、結果、多くの現代人はミネラル不足を招いている、と小若氏は指摘する。
さらには──。
「実は業務用カレーに入っているニンジンは人件費の安い中国やベトナムでカットし、それを下ゆでしたあとに冷凍して輸入しています。それをそのままカレーに入れるなら、まだ栄養素の損失は少ない。ところが解凍して水洗いするため、ニンジンの細胞膜は解凍時に全て潰れ、水溶性の栄養成分もまるごと洗い流されてしまうんです」(小若氏)
そんな成分が抜かれたカスカスのニンジンを使う理由は、加熱してもニンジンが溶けず、形が残るからだ。小若氏は憤る。