ジャパンは「こぶし」のようだった。ジョージア戦で見えたスクラムの進化。 (1/2ページ)
密にコミュケーションを取りながらスクラムを組んだ。(写真/松本かおり)
地力がついたと誰もが感じた。
完勝である。
だけど、快勝ではなかった。
6月23日に豊田スタジアムで日本代表とジョージア代表が戦い、28-0でサクラのジャージーが完封勝ちを手にした。
しかし前半は9-0。雨の影響はあったものの、得点機を逃すこともあった。
後半の3トライで前半のもやもやを吹き飛ばしたが、満点の試合ではなかった。
ジャパンは、もっとやれる。
そして、ワールドカップで8強入りするためには、さらなる進化が必要だ。
それでも、世界ランキング12位の好敵手相手に収穫も少なくなかった80分(日本は11位)。なかでも、スクラムについては、もっとも手応えをつかんだ部分だった。
ジョージア代表HOジャバ・ブレグバヴァゼは、日本代表のスクラムを評して「こぶしのようにひとつになっていた」と言った。
「そうなるのは簡単にできることではないが、長谷川慎コーチと選手一人ひとのり努力の結果でしょう」
サンウルブズの仲間でもある男は賛辞の言葉をおくった。
ジャパンの両PRは試合中の体感を、こう話した。
以前に戦ったときと比べての感覚を、1番の稲垣啓太は「自分たちが進化していることを感じた」
「圧力をかけられるところもあった。うまくいかなかったのは、(レフリーの)コールが聞こえず、タイミングが合わなかったときぐらい」
後半9分に奪ったトライ前の相手ボールスクラムで、稲垣は「狙っていこう」と周囲に声をかけた。
攻撃的に組めた試合だった。
3番の具智元は、初めてジョージア代表と対した。
「世界最強クラスのスクラム」との情報を頭に臨んだファーストスクラム。「これならいける」と体感した。
「思っていたほどではありませんでした。レフリーもあまり細かくなかったので、しっかり組めていると思いました」
前述の後半9分のトライ直前、稲垣が「狙っていこう」とリードしたスクラムでは、「最後は少し体が浮いてしまったのですが、組んだときに、いい感じでした」。