田中角栄「名勝負物語」 第二番 福田赳夫(4) (3/3ページ)

週刊実話

なぜなら、退陣声明をした直後の佐藤首相が、田中、福田を前にして、こう言ったからだった。

「君たちは“息子の争い”だ。どちらが1位になっても、(決選投票では)2位が1位に協力するのが好ましい」
 福田はこれを了としたが、もとより田中は聞き流した。福田は三木が出馬することになる第1回投票で佐藤の影響力にも期待し、接戦ながら自分が1位になる可能性を読んでいたことにほかならなかった。
(文中敬称略/この項つづく)

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小林吉弥(こばやしきちや)
早大卒。永田町取材49年のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『愛蔵版 角栄一代』(セブン&アイ出版)、『高度経済成長に挑んだ男たち』(ビジネス社)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。

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