「とにかく飛び込めばいい」岡田将生さんが落語に挑戦して感じたこと #昭和元禄落語心中 (5/10ページ)
ーー役作りで工夫した点や苦労した点はありますか?
僕は人見知りなこともあって、最初は共演者の方々とあまり話せなくて(笑)。その上今作は落語があることによって気持ちにも余裕がなかったんです。でも、そういう追い詰められていく感じが八雲(菊比古)につながっていけばいいなと勝手に思っていたんです。そういう役作りというか、どんどん自分を追い詰めていこうと思っていたときに、山崎(育三郎)さんや竜星(涼)くんが支えてくれたんです。
「一緒にいてくれるだけで安心する」と思ったとき、きっと菊比古にとってもそうなんだろうなと思いました。やっぱり人ってひとりじゃなくて誰かといなきゃダメなんだなということを現場で感じられたことはすごく大きかったですね。その結果、現場にもすごく自然体でいられるようになって。
それに気づくまでは、撮影が終わって家に帰ると地獄の日々でした(笑)。電気もつけたくないぐらい落ちて落ちて……。でも、共演者の方々と仲よくなってからは部屋の明かりをつけるようになりました(笑)。
ーーよかったです(笑)! さらに、今回の役は演じられる年代が10代から70代とかなり幅広いですが、そういった部分でも工夫されましたか?
話すスピードもそうですし、しゃべり方とか動きとか……声のトーンも気にしました。でも、それも監督と話しながらみんなで作っていった感じです。10代から70代までを演じるというのはなかなかできないことだと思うので、すごく贅沢なことだなと思いながら演じさせてもらっています。
ーーそんな八雲(菊比古)を演じる上で、いちばん大切にしたことはなんですか?
一つひとつのセリフを大事にしました。八雲が言うセリフはいろんな取り方があって、受け手次第で変わっていくように僕は感じていて。