サマータイムの導入は人々の体や暮らしにどんな影響を与えるのだろうか? (4/4ページ)
しかし、これも明るい面ばかりではない。ずっとサマータイムにしてしまえば、朝の時間帯は暗い時間になってしまう。
この時間帯は子供たちが通学しなければならない時間である。そのために、地域によっては、学校が始まる時間帯を遅くにずらす必要も出てくることだろう。
つまり、学校への送り迎えが必要な小さな子供がいる親もまた通勤時間を遅らせねばならないということだ。
ちなみに子供の発達の専門家は、学校の始業時間を遅めれば子供にはいい影響があるだろうと考えている。それによって出席の状態や成績の向上が望めるそうだ。
・学校の始業時間を遅くすることで、生徒の幸福度が改善される(シンガポール研究) : カラパイア
・サマータイム廃止の流れ。年間を通してサマータイムに
最近ヨーロッパで実施された意見調査によると、回答者の大半が通年のサマータイム導入に賛成しているそうだ。
これを受けて、欧州理事会は、EU加盟国に年に2度時計の針をいじることをやめて、代わりにずっとサマータイムのままにすることを推奨した。ただしこれが実際に導入されるには、立法化されなければならない。
仮に欧州議会で可決されたとしても、それに従うかどうかはEU各国の判断に委ねられる。それでも、ここ数十年では初めて、サマータイム制度に見直しの機運が高まったことは確かだ。
サマータイムのせいで今、導入されている国の人々は寝不足になっている。だがその状況が変わりつつあるのだ。
変革の波は案外早く世の中に広まるかもしれない。
References:Here's what happens the day after the clocks change/ written by hiroching / edited by parumo