2019年大河ドラマ「いだてん」の語源は、めちゃくちゃ足が速い仏教の神様「韋駄天」から (2/3ページ)
こうして仏教の神様となった韋駄天は、世界の中心にそびえるという須弥山(しゅみせん)の四方を守護する四天王の部下である三十ニ神将のリーダーとして信仰されています。
どんな姿をしているの?ラヴィ・ヴァルマ「スカンダとその妻たち」19世紀頃。本当に顔が六つ、腕が十二本あります。
そんな韋駄天は、道教の影響が強い地域だと韋将軍に近い武将の姿、ヒンドゥー教の影響が強い地域だと、スカンダに近い六面十二臂(ろくめんじゅうにひ)でクジャクに乗った姿で描写されることが多いようです。
六面十二臂とは「六つの顔に十二本の腕(臂)」を意味し、スカンダに六人の乳母がいたことに由来するそうですが、乳母たちが育てたくて争ったために顔が六つになったのか、顔が六つあったから六人の乳母が必要だったのか、興味がつきないところです。
で?その韋駄天がなんで大河ドラマのタイトルになったのでしょうか?
なんで大河ドラマのタイトルに?そろそろ結論に移らせていただきますが、韋駄天は「足が速い」のです。
かつて仏舎利(ぶっしゃり。お釈迦様のお骨)を盗んで逃げた夜叉を追い駆けて仏舎利を取り戻したり、お釈迦様に奉げる食べ物を求めて東西に駆けずり回ったり(※これが「御馳走」の語源とも)などのエピソードから、韋駄天は「俊足の代名詞」とされました。
それで陸上選手(ランナー)をメインに取り上げるであろう大河ドラマのタイトルに選ばれたものと考えられます。