「不可能」の文字しかなかったナポレオンの人生 (3/3ページ)

マイナビウーマン

若いエレオノールにナポレオンくんも心惹かれ、やがてエレオノールは身ごもることに。愛人との私生児では皇太子にできないため、ナポレオンくんはこうしてジョゼフィーヌとの離婚を決断したってわけ。

結果、ナポレオンくんに捨てられることとなったジョゼフィーヌだったのだけれど、彼女はナポレオンくんからのあの暴走ラブレターたちを捨てずに取っていたという。最初はナポレオンくんに興味のなかった彼女も、だんだんと彼を愛するようになったんだとか。

ほんっと男と女ってわからないものですね。

ナポレオンくんは結局エレオノールではなく、別の女性とちゃっかり再婚する。 相手は、オーストリアのハプスブルク家(マリー・アントワネットの実家)のお嬢様、18歳のマリー・ルイーズ。実はこの結婚、オーストリアと姻戚関係を結んで、この地域を安定させるための、いわば政略結婚だった。オーストリア側もナポレオンくんに子どもが生まれて親バカになれば、軍事や政治の判断力が鈍ると計算していたそうで、つまり仕組まれた結婚ってわけ。

オーストリアの思惑通り、ナポレオンくんは18歳の若きマリーに鼻の下を伸ばしまくり、待望の男の子が誕生。この騒ぎはフランス中に広まり、国民は「ちょっとあのおっさん大丈夫なの?」状態に。

周囲の冷たい視線に気づかず、おごり高ぶるナポレオンくんは人の話を聞かなくなり、「ちょっと、さすがにマリーにゾッコンすぎるでしょ……」と諫めた側近たちも遠ざけてしまう。優秀な部下たちも軍隊を去ってしまい、遠征に失敗したナポレオンくんはイタリア半島西に島流しになる。このとき、マリーはナポレオンくんを見捨て、新しい恋人に夢中になっていた。

そろそろ言っていいですか。

ナポレオンくん、わりと不可能の多い人生じゃん。しっかりあんたの辞書には不可能の文字書いてあるから、もう一回よく調べてみよ?

ナポレオンくんの島流しの間、あのジョゼフィーヌが亡くなった。いても立ってもいられなくなったナポレオンくんは島から脱出。ジョゼフィーヌの家に行き、彼女が最期に寝ていたベッドに身を投げて泣いたのだとか。

皇帝に復帰するも、また戦争に負けてしまったナポレオンくんは、絶海の孤島に再度島流し。ここで病気になり、「フランス、軍隊、ジョゼフィーヌ……」と言い残して一生を終えた。フランスも軍隊もそしてジョゼフィーヌも、手に入れることが“不可能”なものだったことは、死ぬときに気づいたのだろうか。

話ははじめに戻るけど、やっぱりナポレオンくんが自信満々に「私の辞書に不可能の文字はない」って言ったときに、「いや、あるって。全然あるから」って言ってやらなかったまわりの人にも責任があると思うんだよね。って、これはさすがに無理がある話かしら?

(文・五十嵐綾子、構成・マイナビウーマン編集部、イラスト:たけだこうへい)

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