世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 ★第299回 移民法 (3/3ページ)

週刊実話



 特に問題なのが、今回の「移民法」が極めて抽象的で、細かいことは「省令」で定めることになっている点だ。具体的には、各業種の受け入れ分野について、法務大臣が各分野の所管閣僚らと策定する「分野別運用方針」により決定されるのである。

 要するに、政府に移民政策の「白紙委任状」を提出せよという話だ。国民の代表である国会議員の議論とは無関係に、「運用方針」により日本は移民国家化していく。法律成立後にさまざまな「声」が産業界から上がり、法相と法務省が動き、なし崩し的に日本は移民国家化することになるだろう。

 安倍政権としては、あまりにも突っ込みどころ満載の「移民法」であるため、真面目に審議することを回避したのであろう。そもそも、移民の定義からして奇想天外であるため、今回の移民法を正当化することは、神様にも不可能だ。もはや、わが国は真っ当な「議論」すらなく、移民国家化の道をひた走っているわけである。

 ご存知の通り、過去に移民を受け入れていた欧米諸国ですら、現在は移民の「侵略」を防ごうとしている。ところが、わが国は逆の道を行く。周回遅れの日本国の針路を変更するためには「今、世界と日本で何が起きているのか?」について、国民が正しい情報を知り、政治を動かし、「日本の移民国家化に反対する」という圧力をかけなければならない。

 具体的には、移民法に賛成した国会議員を、選挙で落選させるのである。

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みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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