元世界一即戦力の男・菊池良が見た #就活ホンネ会議「大学生の疑心暗鬼と饒舌ではない私たち」 (12/14ページ)
私は主催の『マイナビ学生の窓口』の編集長からディスカッションの感想を聞かれて、思わず言いよどんだ。これは就活どうこうの問題ではないと思ったからだ。
全体として言えるのは、大学生たちが疑心暗鬼に陥っているということだ。大学生たちは何度も聞いた。「服装自由と言っているけど、ほんとうは?」。そこには言葉を文字どおりに受け取れない何かがある。そこに「裏のルール」が存在していて、それに違反すると、就活というステージからは退場させられると思い込んでいるのではないか。
しかし、そんな「裏のルール」は存在しないというのが実情ではないだろうか。だれも「服装自由を額面通りに受け取るやつがいたら、その場で落としてやるぜ」なんて意地の悪いことは考えていない。もしそんな会社があるとすれば、担当者は『ハンター×ハンター』の読みすぎだ。
こんな状態を招いているのは、企業側にも原因があるように見える。例えば、前半のディスカッションでは、キレイモの佐伯さんが、「接客業だから爪が清潔かどうかも見る」という発言をしていた。ここまで明確に言われたら、その選考基準に納得することができるが、世間の「応募要項」にはそこまで書かれていないのが現実ではないだろうか。
つまり、企業側も言葉が足らないのである。