死をもあざむく?地球の内側で見つかった微生物の不死へのアプローチ (4/6ページ)

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 世界最高齢の個体は、節くれだったブリストル・コーン・パインやクローンで形成されたアスペンの森林ではなく、地下の岩の中に囚われたちっぽけな微生物なのかもしれない――それが、成長もせず、子孫も残さず、ただ死神をごまかしているだけに過ぎないのだとしても。


・地下細菌の寿命の長さを示唆する最近の研究

 ここ10年で、堆積物や岩、あるいは地中深くの隙間や亀裂の中で生きているこうした細菌が、予想外に長生きであることを示す研究は増えている。

 たとえば、2000年代初頭、帯水層や堆積物の微生物が呼吸をする速度は、地上にいる微生物のそれよりもずっと遅いことが明らかにされた。

 そのバイオマス回転率(細胞の分子が置き換わるためにかかる時間)を計測すると、数百から数千年の長さであった。

 「こうした地下環境の微生物が、ゆっくりとしたバイオマス回転率に応じて生殖するのか、それとも数百万から数億年も分裂することなく生きているのかは、不明である。」(Reviews in Mineralogy & Geochemistry

 2017年の研究は、日本の沖合に広がる太平洋の海底2キロの地下で採取された500万~3000万年前のサンゴと頁岩に、低密度(1立方センチあたり細胞50~2000個)の細菌が発見されたと報告している。

 それは極端にゆっくりとしたものであるが、それでもちゃんと能動的に生きている。

 推定によれば、その世代時間は数ヶ月から100年以上までの範囲があるとされているが、著者は、それでもなお推定値は短い可能性が高いと述べている(ちなみに大腸菌の世代時間は15~20分でしかない)。
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