死をもあざむく?地球の内側で見つかった微生物の不死へのアプローチ (6/6ページ)
これらを総じて考えると、こうした発見はその見た目ほど馬鹿げたものではないのかもしれない。
なにしろ、地下深くならば恐るべき宇宙からの放射線から守られるとも考えられるのだ。そうした放射線は、地上であれば、着実にDNAに突然変異を起こすであろう。
小惑星よって宇宙に生命のタネが撒かれているという説をパンスペルミア仮説という。
ここで紹介した研究結果に加え、地球上で環境が整うとすぐさま生命が誕生したという最近の発見をあわせて考えると、パンスペルミア仮説は再考の余地があるように思える。
・地下の囚人になる代償としての不死
このあたりで話をまとめよう。地球の地殻には、不活発な古代の細菌がうじゃうじゃいる。それは省エネモードにあるが、ギアはいつでも入れられる状態にある。
永遠に思える時間を暗闇の中に閉じ込められ、静寂の中、かろうじて食べ、かろうじて呼吸し、かろうじて動く――それでも死んでいない、生きているのだ。
もしチャールズ・リプマンが正しかったのなら、恐竜が登場するより5000万年も前に生まれた地球内部の細菌細胞は、明日にでも再び分裂を再開するかもしれない――なんと驚愕の事実であろうか。
だが、こうした魔法のような力を発現させるために、細菌は地下牢獄に囚われていなければならない。その代償として、事実上の不死が与えられているのである。
References:Microbes That Cheat Death - Neatorama/ written by hiroching / edited by parumo