アントニオ猪木はライオンを買って…藤波辰爾×藤原喜明「怪物プロレスラー」豪快秘話 (2/5ページ)
藤原 すごかったのはさ、新日本のブラジル遠征のとき、アンドレが飛行機の中で缶ビールを120本ぐらい飲んじゃってね(笑)。
藤波 そうそう。アンドレの後ろの席が空き缶の山でね。俺らが注文したら、「もうない。アイツが全部飲んだ」って(笑)。
藤原 スチュワーデスが「大きな人たちばかりですけど、どんなお仕事をされてるんですか?」って聞いたら、アンドレが「競馬のジョッキーだよ」って。
――大巨人ジョーク(笑)。
藤波 アンドレは試合も、うまかったね。
藤原 頭が良かったから。
藤波 レスラーは勘と発想が良くないとできない。お客さんが何を望んでいるか瞬時に察知して、動きで興奮させるわけだからね。
――ハルク・ホーガンは、いかがでしたか?
藤原 いい奴だよね。ハートが、すごくいい。
藤波 スターになってからも、偉そうにすることはなかったしね。俺は、彼がプロレスラーになる前から知ってるから。ホーガンはもともとミュージシャンで、俺がフロリダに行ったとき、アパートの下でギターを弾いてたもん。身体だけは当時からデカかったんだけど。それが、ちょっと見ない間にニューヨークに行ったら、リングで試合してるからさ。「なんだ、アイツだったのか!」って(笑)。
――新日本でも、あれよあれよという間に大スターになりましたよね。
■ブルーザー・ブロディは神経質
藤原 無名だったのが、新日本で磨かれてな。スタン・ハンセンやタイガー・ジェット・シンなんかも、そうだよね。
――藤波さんはブルーザー・ブロディとも試合してますよね?
藤波 彼は神経質なんだよね。あれだけ身体がデカイのに、ハンセンやベイダーみたいな迫力はあまりなくて、細かい技をやるからかな。あとはプライドが高すぎて、パートナーのジミー・スヌーカも大変だったと思うよ。
――ジュニアヘビー級時代に対戦したダイナマイト・キッドは、どうでした?
藤波 キッドは俺が最初にやったんだよ。カナダのカルガリーでね。