海で二酸化炭素が飽和し、大量絶滅へ向けた転換期に達しつつあるという研究報告(米研究) (1/3ページ)

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海で二酸化炭素が飽和し、大量絶滅へ向けた転換期に達しつつあるという研究報告(米研究)
海で二酸化炭素が飽和し、大量絶滅へ向けた転換期に達しつつあるという研究報告(米研究)

weera sunpaarsa / Pixabay

 化石燃料の燃焼によって大気中に放出される二酸化炭素は、海にも溶けて蓄積されている。

 この傾向が止む気配は今のところないが、このおかげで、かつて大量絶滅が生じたときの直前に見られた化学反応が起きる可能性が高いそうだ。

 MITの地質学者ダニエル・ロスマン教授が公開したデータによれば、今日の二酸化炭素濃度は、大昔に生物の大量絶滅を引き起こした極端な海洋酸性化へと向かう転換点へと急速に近づいているそうだ。
・化学的フィードバックの連鎖反応

 ロスマン教授は2年前に今世紀の終わりには大量絶滅が起きるだろうと予言した人物で、それ以来、二酸化炭素が原因で海洋生物が絶滅する可能性について研究を続けてきた。

 海に蓄積される二酸化炭素のシミュレーションを行ったところ、安定している海洋に二酸化炭素を加えたとしても、一時的な酸性化しか起きなかった。

 しかし産業革命以来人類がやってきたように、継続的に二酸化炭素を海へ加えると、やがては「化学的フィードバックの連鎖反応」あるいは「励起」を引き起こす転換点を迎えることが判明した。

 こうなると極端な酸性化が生じ、さらにもともと蓄積されていた二酸化炭素の温室効果がいっそうひどいものになってしまう。


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Rolanas Valionis from Pixabay

・二酸化炭素の蓄積と大量絶滅

 ロスマン教授によると、こうした化学的フィードバックは過去5億4000万年の間にいくどか起きてきたという。

 しかし、特に顕著なフィードバックが起きた時期は、その間に起きた大量絶滅5回のうち4回の時期と一致している。
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