疑似ドキュメンタリーの先駆けとなった米映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」が世界にもたらした影響 (3/7ページ)

カラパイア



 やがて数年間の試行錯誤の後、「魔女伝説を題材にしたドキュメンタリーの撮影目的で森の中に入った学生ら3人が、謎の行方不明となり、後に発見されたフィルムを編集した」という設定で作品のアイデアが完成した。

film4_e
image credit: youtube

 その後、オーディションでキャンプ経験のある無名の役者たち3人を選び、撮影では「実際に経験している」というリアリティさを出すためできる限りアドリブで演じさせ、8日間の厳しい撮影中、製作スタッフは役者らを様々な仕掛けで恐怖に陥れた。

film3_e
image credit: youtube

 出演者の持つカメラで撮影された主観視点の映像をメインに、モキュメンタリー(疑似ドキュメンタリー)手法を導入したこの映画は、1999年のサンダンス映画祭で上映されると大反響を呼んだ。

 しかし、それに輪をかけてこの映画が世界的ヒットとなったのは、その宣伝方法だった。


・徹底したメディアミックス展開が大成功のカギ

 マイリックとサンチェスは、あたかもこの映画が事実であるかのように、演じた3人の若者が行方不明というチラシを配布し、映像の出どころを曖昧にした。

 更に、ネットを駆使した宣伝キャンペーンを行って、映画のストーリーをまるで本物のように仕立てるwebサイトから疑似ドキュメンタリー物まで次々と製作。主演俳優のIMDbページには、映画公開から1年間は「行方不明、恐らく死亡」と記載されていたという。
「疑似ドキュメンタリーの先駆けとなった米映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」が世界にもたらした影響」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧