うどんの酸いも甘いも知り尽くす! 香川大学・合谷祥一先生の「うどん学」 (4/5ページ)
こうしたうどんが作りやすい理由が重なって、うどんが愛されるようになったと考えられます。
――それが全国に広がり、現在のような人気を獲得したのですね。
そうですね。ちなみに本場讃岐うどんは、次のように定められています。
・香川県内で製造されていること
・加水率は40%以上であること
・加塩率は3%以上であること
・熟成時間は2時間以上であること
・15分以内にゆで上がること
――そうした定義を順守して作っても、店によって個性が出るのが面白いですね。
それがうどんの魅力だと思います。小麦粉に塩水を加えて練って切り、ゆでるだけと作り方は単純。
しかしその単純さゆえに、素材のよしあしや切り方、ゆで方などのちょっとした工夫が味に大きな影響を与えます。作り手の個性が出やすい面白い食材です。
新しいうどん学の誕生を期待――先生の今後の展望を教えてください。
私はあと1年半ほどで退職になるので、若い先生にうどん学の講義を引き渡す準備をしているところです。
ですので、新しく担当する先生には、ぜひ私とは違った切り口でうどん学の講義をつくっていってもらいたいです。
例えば、私はうどんそのものに関する講義が多かったのですが、今後は「だし」に注目した講義を増やしても面白いですね。
――もしかしたら、合谷先生が予想されていなかったような新しい視点での講義が生まれるかもしれませんね。
うどんは単純だけれど奥深い食材なので、いろんなアイデアを持って取り組んでくれるとうれしいですね。
――ありがとうございました。
うどん学は、うどんの歴史や作り方だけでなく、原料の小麦にまつわる話や、県を挙げて対策しているような深刻な排水処理問題まで、非常に幅広い切り口でうどんについて学べる講義でした。