身代わり伝説は本当か?今も眠る源義経の首級と胴体の「謎」を紹介【下】 (4/6ページ)
腐敗しきって見る影もない義経公の首級に目を背ける和田義盛と、目を丸くする梶原景時(イメージ)。Wikipediaより。
「うむ……これは確かに九郎御曹司(くろうおんぞうし。義経公)の首級に相違あるまい」
「左様々々。もはやこれ以上の検分は無用、かかる逆賊の首級など疾(と)く打ち捨てよ」
……『吾妻鏡』ではこの様子を
「観る者みな涙を拭(ぬぐ)ひ、両衫(りょうさん)を湿(うる)ほす」
【意訳】義経公の首級を見た者は全員、涙を拭う袖の上着に留まらず、中の衫(さん。肌着)が湿るほど泣いた
としており、これは「平素さんざん憎んだ義経公でも、いざ亡くなってみるとその偉業が惜しまれたため」と解釈されがちですが、実際は「あまりの腐臭が目に染みて、涙が止まらなかった」だけという可能性もあります。