結婚後のパートナーの変化は「裏切り」か「当然」か 離婚エピソードがあぶり出す「結婚の本質」 (2/4ページ)

新刊JP

そのことを責めるのは酷なんですけど、旦那さんの側に立ってみると二人で合意していたことが奥さんの意見で一気に崩れてしまったわけで。

表紙

――端的に言えば花田さんは相手の「生きる態度」に惚れていたわけですが、その部分が変わってしまった場合、もう相手は花田さんが好きだった相手ではないとも言えます。

稲田:そこだけ見れば、確かに奥さんの変化は花田さんへの裏切りと言えるのかもしれません。でも、ウェブのコメントは「花田はクソ」(笑)。「いつまで昔の幻想をひきずってんだ」とか、そんなのばかりでした。これも田中さんの話と同じで「わかるよ、花田」と思っている人もいるでしょうね。わざわざコメントを書かないだけで。

でも、この花田さんのエピソードは、最終的に「結婚とは何なのか?」という本質的な問いにつながります。結婚の時に交わした約束や合意していた条件が、一方の心境の変化によって反故にされるなら、何を頼りに結婚の約束をすればいいのか? あるいは、人間が時とともに変化するならば、どうやって結婚相手を選べばいいのか?

そうなると、相手がどう変化しようが必ず寄り添い続ける覚悟みたいな話になりますよね。どこまでの変化なら許容できるかというのは人それぞれですし、答えのない問いなので、ひとりひとりが考えてみていただきたいです。

――今回の本に登場する離婚経験者の多くがその後再婚していたのが興味深かったです。彼らは離婚したことによって、結婚そのものに幻滅したわけではなかったんですね。

稲田:おっしゃるとおりで、再婚した人は「結婚」にではなく「相手」に幻滅した形です。再婚しない人は、結婚という「システム」が嫌になってしまったといえます。つまり、誰かと共同生活をするとか、家計を一にするとか、結婚についてまわる条件や制約そのものが受け入れられないと気づいた。

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