結婚後のパートナーの変化は「裏切り」か「当然」か 離婚エピソードがあぶり出す「結婚の本質」 (3/4ページ)

新刊JP

そういう人にとって、結婚は欠陥があるシステムなんですよね。

――離婚の本を書いた方へのインタビューの質問としておかしいかもしれませんが、「夫婦円満」の秘訣は何でしょうか?

稲田:すごい質問ですね(笑)。一ついえるのは、相手を選ぶ段階から気をつけるべしということです。

どんな人でも、結婚前の交際している期間で、相手に対して「あれっ?」と思うことって多少なりともあると思うんですよ。それはちょっとした気になるしぐさや言動かもしれないし、金銭感覚のズレかもしれません。たとえば、食事をするお店を探していて、相手が「ここがいい」と言った店が客単価8000円くらいのお店だったら、「おや?」となるじゃないですか。

――高いなあ……。

稲田:ですよね。特にお祝いでも記念日でもない、ただの食事ですよ。「普段使いの夕飯で8000円のところに行きますか?」となるはずですが、付き合いたてだったりすると舞い上がっているから「まあいいか」と思ってしまったりする。いい格好もしたいですしね。

そうやって相手へのちょっとした違和感を見て見ぬふりをすることがままあるわけですが、結婚するのであれば、「その違和感が50年続いても我慢できるか」と考えていただきたいんです。平気だと思えるなら結婚しても大丈夫だと思います。

――今この場は我慢できても、50年我慢するのは無理ということはありそうです。

稲田:靴の中に小石が入って、歩きながら気持ち悪いことがあるじゃないですか。でも電車が来てしまうし、駅まで5分くらいだったら、靴を脱いで小石を出すということはせずにそのまま歩いてしまうでしょう。これが間違いのもとなんです。駅まで歩くくらいなら我慢できても、丸一日登山したら必ず足を痛めます。結婚は、登山です(笑)。

結婚してからそうした違和感に気づいたり、その違和感が何か問題のタネになって、それを二人で乗り越えていく過程で絆が深まることもあると思いますが、それは「円満の秘訣」として法則化できるものではありません。

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