結婚後のパートナーの変化は「裏切り」か「当然」か 離婚エピソードがあぶり出す「結婚の本質」 (1/4ページ)

新刊JP

『ぼくたちの離婚』(角川新書刊)の著者、稲田豊史さん
『ぼくたちの離婚』(角川新書刊)の著者、稲田豊史さん

世の中には幸せな家庭を築いている人もいれば、家庭生活が破たんし、離婚する人もいる。

「幸福の秘訣」や「夫婦円満の秘訣」は様々な場所で語られるが、「なぜ離婚したのか」「どう離婚に至ったのか」について語られることは少ない。多くの人にとって、これらは秘すべきことだ。

『ぼくたちの離婚』(角川新書刊)では、様々な男性たちの、きわめてプライベートでデリケートな離婚エピソードが語られている。そこにあるのは赤裸々なホンネと自己開示。しかし、これらはただの「ネタ」で終わることなく、本質的な問いを提示する。

「結婚とは何なのか?」

この本に掲載されたさまざまなエピソードのウラ話や、取材で感じたちょっとした違和感、そして離婚を通してあぶり出される「結婚」について、著者の稲田豊史さんに語っていただくインタビュー、最終回である。

■パートナーの変化は「裏切り」か「当たり前のこと」か

――「相手の変化をどこまで受け入れるか」という夫婦にとって重要なテーマをはらんでいると思ったのが花田さんのケースです。

稲田:花田さんのケースもウェブ掲載時に反発が多かったです。そして女性に話すと絶対共感してくれない(笑)。

結婚したら環境が変わって、年月が経てば考えも価値観も変わるんだから、結婚した頃に「子どもはいらない」と言っていたとしても、数年後子どもが欲しくなることはあるし、そうなった時に責められるのはおかしい、と。

――花田さんは、文化的教養が高く、個人主義的で、「結婚したら子どもを作って家を買って」というありがちな価値観で生きていない奥さんに惚れ込んでいました。しかし、結婚後徐々に奥さんは、こういう「月並み」な価値観に染まっていってしまいます。

稲田:これはどちらの言い分もわかるんですよね。二人には結婚した時に子どもはつくらないという合意があったのですが、周囲が結婚して子どもをつくってという中で、奥さんは流されてしまった。

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