海に沈んだ第8の大陸「ジーランディア」を形成した力が判明 (3/4ページ)
だがその当時、別の2ヶ所はより深く沈み込み、やがて大陸全体までがさらに1キロほど沈み、現在の深さに到達したようだ。
・Expedition 371 Exploring Zealandia Trailer 2020
・プレートの沈み込みが作り出したリング・オブ・ファイア
インド亜大陸の大きさに匹敵するジーランディア北部のこのような劇的な変化は、太平洋西部に広がる地層の座屈褶曲と海底火山の形成と同時に進行している。
「環太平洋火山帯」や「リング・オブ・ファイア」と呼ばれるその地域は、太平洋の周囲をぐるりと囲む火山帯で、世界の火山の8割近くが集中している場所だ。
ここの激しい地質活動は、プレート境界の「沈み込み」――つまり、あるプレートが別のプレートに接触し、その下に潜り込んだことで発生する地中深くの混乱を反映したものだ。
調査船のルートと6ヶ所の掘採地点image credit:IODP
・沈み込み断裂と沈み込みの再始動
環太平洋火山帯が形成されたのは5000万年ほど前のことだが、そのプロセスは謎に包まれている。
だが、これについて今回の研究グループは、「沈み込み断裂事象(subduction rupture event)」が関連すると推測している。
これはゆっくりとした大規模地震に似たプロセスで、これが当時、太平洋西部全体に広がったというのだ。