北極海の海の底でクラミジアの近縁種を発見(スウェーデン・オランダ共同研究) (1/3ページ)

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北極海の海の底でクラミジアの近縁種を発見(スウェーデン・オランダ共同研究)
北極海の海の底でクラミジアの近縁種を発見(スウェーデン・オランダ共同研究)


 凍てつく北極海の極限環境で、宿主を必要としないクラミジアの新種が発見されたそうだ。

 クラミジアは寄生性の細菌で、そのうちの1つ、クラミジア・トラコマチスは性感染症を引き起こすことで知られている。
・深海の極限環境で発見された新種の細菌

 人の性病としてはもっとも一般的なクラミジア感染症は、「クラミジア・トラコマチス」が感染することで生じる。

 この仲間はクラミジア門という大きな細菌グループを構成しているが、ここに属する多くの種が宿主に寄生することで生きている。クラミジアは、人間の体に寄生していなければすぐに死んでしまうかなり弱い菌なのだ。

 ところが、彼らに欠かせないはずの宿主などいそうにもない、凍てつく北極海の深さ3キロの海底に降り積もった堆積物から、クラミジアの新種が発見されたそうだ。

 この新種は、凄まじい水圧にされされ、ほとんど酸素のない極限環境でありながら、まるで一区画を制圧するかのように繁栄しているという。

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Dr_Microbe/iStock

・「ロキの城」に潜み、周囲の微生物からリソースを奪う 

 ウプサラ大学(スウェーデン)やヴァーヘニンゲン大学(オランダ)をはじめとする研究グループが北極海で発見した新種は、人間や動物に感染するクラミジアと非常に近いように見えるという。

 それが大量に発見されたのは、アイスランドとノルウェーの間に挟まれた海底から突き出た5本の熱水噴出孔――「ロキの城(Loki’s Castle)」と呼ばれる場所の堆積物からだ。
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