異星人は地球人?かつて地球の古代生命体が彗星に乗って地球から脱出していたという説(米研究) (3/3ページ)
まず、星間パンスペルミア説では、微生物の中には、極限の加速ですら生存できるものがいると説いている。しかし、そうした微生物がうまい具合に彗星に付着する具体的なメカニズムは不明だ。
彗星周囲の空力のせいで、微生物が表面にたどり着き、そこからさらに宇宙線から身を守れる孔の奥深くへと入り込むなど、到底不可能に思えるそうだ。
それから、それほどまで高く舞い上がる微生物が本当にいるのかどうかもはっきりしないという。70年代のロケット実験はかなり古く、その信憑性には疑問符がつく。
じつのところ、現在の大気ですら、その上部に漂っているとされる生物について、未だにはっきりとしたことが分からないらしいのだ。いわんや、数百万、数十億年前のことをや、である。
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・最大の問題点。微生物は宇宙でどのくらい生存できるのか?
最大の疑問点は、無事彗星に着地できた微生物がどうなるのか? であるそうだ
一部のバクテリアが宇宙空間で数十年ほど生存することならあり得そうだという――そう、火星に到達するくらいの期間なら。
しかし、もし別の太陽にたどり着こうというのなら、数万、数百万年はかかるだろう。いかに頑丈なバクテリアと言えども、それほどの長期間を生きられるという直接的な証拠はほとんどない。
そして、かねてから示唆されてきたのは、大きな衝突で発生したデブリによって、この太陽系の惑星と衛星との間で生命が吹き飛ばされてしまうだろうということだ。
はたして、どちらの意見が正しいのか? 今の段階では、はっきりとしたことは分からない。さしあたっては、この問題に答えを出そうと考える研究者が、さまざまな分野から名乗り上げてくれることを祈るよりほかあるまい。
References:Physicists argue ancient life might have escaped Earth and journeyed to alien stars | Live Science/ written by hiroching / edited by parumo