そこにはこんなドラマがあった。フォークランドの地雷原に住むペンギンたちの物語 (1/3ページ)

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そこにはこんなドラマがあった。フォークランドの地雷原に住むペンギンたちの物語
そこにはこんなドラマがあった。フォークランドの地雷原に住むペンギンたちの物語

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 フォークランド諸島は、南米の南端パタゴニア海岸の東300マイルの南大西洋に位置する群島だ。ここは1833年からイギリスの海外領だったが、アルゼンチンも1833年以前は統治していたと主張していた。この長い論争が1982年にエスカレートして、フォークランド紛争が始まった。3ヶ月近くに渡る戦闘の結果、島はイギリスのものとなった。

 しかし、本当の勝者は島のペンギンたちだったのかもしれない。人間の手で絶滅寸前に追い込まれたペンギンだが、自らの犯した愚かな行為により人間はこの地を手放さざるを得なかったのだ。戦わずしてフォークランドの大地を手に入れたペンギンたちのストーリーを見ていくことにしよう。



 18世紀は捕鯨が盛んな時代だった。鯨油産業は盛況で、フォークランド諸島はクジラを捕えてその脂をとるのに理想的な場所だった。クジラの皮下の脂肪層を取り除き、その脂を大きな熱湯の浴槽に入れて火をつける。しかし、フォークランドは、植物といえば風に強い低木ばかりで、火をおこす燃料としては役に立たない。木がないのに火を燃やし続けるために、大量の燃料として目をつけられたのはペンギンだった。

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 当時の人々は、ペンギンの皮下にはかなりの脂肪をたくわえていると考えていた。実際に捕鯨業者はその脂肪が燃えやすく燃料として大いに役立つことを知っていた。

 ペンギンは飛べないし、おとなしいため、簡単に捕まえることができた。
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