売春組織化、ネズミ講…貧困層向け"脱法シェアハウス"の驚愕実態

デイリーニュースオンライン

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 人気番組『テラスハウス』などによって、若者の間で注目が集まるシェアハウス。格安の賃料をウリに需要を拡大させ、多数のシェアハウスが各地に乱立している。しかし、その内情は『テラスハウス』のような華やかなものばかりではない。そこで今回は、ブームに便乗した恐るべきシェアハウスの実態を取材した。

 筆者が訪れた「女性専門シェアハウス」は、都内山手線主要駅から徒歩3分ほどのところにある。

 築40年近く経過した古びたマンションの一室で、間取りは2K。住人は17歳から28歳までの女性5人と管理人の男性が1人。6畳ほどの部屋に小さめのベッドが3つずつ置かれ、個々のベッドは薄いカーテンで仕切られている。当然、鍵もなければ、音も筒抜けだ。

 家賃の1か月分を前金として支払えば即入居できることから、地方出身のフリーターや非正規雇用の若者、家出少女など、いわゆる低所得者層の新しい”住”の形として、2000年代半ば頃から大都市圏で急増するようなった。

二極化するシェアハウス事情

「シェアハウスと一口にいいますが、テレビ番組『テラスハウス』のような華やかなものは稀。裕福な人々が人との出会いや交流を期待して入居する家賃も高めのハウスと、1部屋に2段ベッドや3段ベッドをいくつも入れて、低家賃で多人数を押し込む”詰め込み型シェアハウス”とでは大きな違いがあります。後者は〝脱法ハウス〟と呼ばれており、今回訪ねたハウスはまさにこれ」(不動産業者)

 2013年9月、国交省は全国自治体に通知文を出し、こうした脱法ハウスを「違法貸しルーム」と命名して規制の強化を打ち出した。しかし、こうした脱法ハウスは減るどころか、闇にもぐる形でますます増殖しているらしい。

 その内部ではさまざまな「グレーな営み」が行われいるという。東京・豊島区内で脱法ハウスを運営するオーナーが明かす。

「ハウスの運営者が圧倒的な支配者として、住人たちの上に君臨しているケースが見られます。ひどいハウスになると、運営者が住人に振り込め詐欺の電話をかけさせていたりするケースもある。運営者の管理が甘いハウスではネズミ講が流行っていたり、乱交が行われていたり、火の不始末で火事になるなど、さまざまな問題が生じている」

脱法ハウスに住みながら、デリヘル業で稼ぐ住人女性

住人一丸で売春組織を運営

 今回、筆者が潜入した女性専門シェアハウスは、その最たる例かもしれない。住人女性の1人(21歳)に話を聞いてみた。

「うちら、みんな援デリやってるんですよ。私の場合、もともとは普通のキャバで働きつつ、ここの系列の別のシェアハウスに住んでたんですけど、会長(運営者)に、『もっとラクに稼ぎたいなら協力するよ』って言われて援デリをはじめたんです。仕事したくないときは断るのも自由なので、普通の風俗店なんかで働くより全然ラクですよ」

 最近の援デリは、LINEなどSNSを駆使して客を集めるのが主流だ。こうした客集め作業は、運営者が組織した部隊(シェアハウスの男性住人)が行い、客がつくと、ハウスの女性をレンタルルームなどに派遣する。

 今回訪れたハウスには、運営者から送り込まれた「管理人」役の男性住人が住み込んでいて、彼が女性たちに「仕事」を割り振り、車で現場まで運んでいた。

 前出の女のコはいう。

「基本、本番アリです。料金は言っちゃいけないと言われてるんで……。ただ、会長に強要されてやってるわけじゃありません」

 消費税増税、円安不況、広まる格差……アベノミクスの負の側面が、いよいよ露わになりつつある。しかし、これが現実だ。

(取材・文/小林靖樹)

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