東條英機の直系ひ孫インタビュー「長男だけが“英”の字を受け継ぐ」【前編】

デイリーニュースオンライン

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太平洋戦争後、東京裁判でA級戦犯として裁かれた東條英機。その直系ひ孫にして神社ライターとしても活動中の東條英利氏がDMMニュースで連載をスタート。日本と日本人の教養について独自の視点で鋭く深く掘り下げていくコラムを執筆するにあたり、まずは東條氏自身を知ってもらうべく、今回はインタビューを敢行した。

――まずは簡単に自己紹介をお願いします。

「第40代内閣総理大臣の東條英機は、私の直系の曾祖父、つまりひいお爺さんにあたります。東條家では代々長男が「英」の字を継ぐことになっており、私の長男にも「英」の字がついております。しかし、もともと私は自分の名前に多大なコンプレックスがありました」

――「東條英機」という名前のインパクトは一般の人にとっても大きいです。

「今ではネットの普及もあり、わりとフェアに評価されていると思いますが、私が幼少の頃は「東條英機」という名前は戦後最大のタブーとされていた時代であり、アドルフ・ヒットラーと同格のファシストもしくは国民的英雄という、まったく正反対の極端な扱いを受けていました。私自身は才能などまったくない凡庸な人間ですし、家もごく普通の家庭でしたが、世間一般の人には「ものすごい金持ちなんじゃないか」とか「小さい頃から帝王学を学んでいるのだろう」といった先入観が多分にあったのではないかと思います。しかし、そんな事実はまったくなく、むしろ戦後は戦争犯罪人の家系ということで周囲から卑下されてきたことのほうが多かったですね」

――それは具体的にどういったことをされたのでしょうか。

「私の祖父は“東條英機の息子”というだけで会社にすら雇ってもらえず、祖母の内職で生計を立てていました。父も小学校の頃、担任の先生から「彼のおじいちゃんは泥棒よりも悪い人だった」とクラスメイトの前で堂々と紹介されたそうです。私が小学4年生のとき、『東京裁判』という長編ドキュメンタリー映画が公開され、母と一緒に映画館に観に行きましたが、内容よりも重苦しい雰囲気しか記憶に残りませんでした。私は公立の小・中学校を出ましたし、高校も県立高校で、大学だけは私立に行かせてもらいましたが、決してエリートコースを歩んできたわけではありません」

――家庭ではどのような教育を受けて育ってきたのですか?

「振り返れば、ことさら父からは「おまえがしっかりしないといけない」と厳しく躾られてきたように思います。その反動なのかもしれませんが、高校のときにはハードロックやヘビメタに傾倒し、バンド活動もやってギターに夢中になりました。僕を右寄りのイメージで思っている人に、これを言ったら怒られるかもしれませんが、自分の中の“神”はジューダス・プリーストです(笑)。でも、髪の毛を伸ばしたり染めたりすることに対しては必要以上に自分の中でブレーキがかかってしまい、最後まで出来ませんでしたね。何か悪いことをしでかすと「それ見たことか」となりかねないと思い、必要以上に人の目を気にしていた部分はあったと思います」

――実際に話をお聞きして、ずいぶんイメージと違う印象を持ちました。

「みなさんの中には、私のことを極めて右翼的な思想を持つ人間ではないかと思っている人も多いと思いますが、私はいたって中立な視点の持ち主ですよ。高校生のときには海外に興味を持ち、選択科目では世界史を選びました。今思うと日本史を選んでおけば良かったとも思いますが、振り返れば高校・大学とさまざまな主義・思想の友だちとの交流を通して、いろいろなモノの見方や考え方を養えたと思っています」

【→後編はコチラ】

プロフィール

toujyou

一般社団法人国際教養振興協会代表理事/神社ライター

東條英利

日本人の教養力の向上と国際教養人の創出をビジョンに掲げ、一般社団法人国際教養振興協会を設立。「教養」に関するメディアの構築や教育事業、国際交流事業を行う。著書に『日本人の証明』『神社ツーリズム』がある。

公式サイト/東條英利 公式サイト

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